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フィンランドに行きたい。(教育とジェンダー編)

そりゃ日本人に生まれてきてよかったって思うこともあるさ。でもやっぱりこの歳になると、小さい頃は見えなかった隣の芝生が見えるようになって。

じゃあ調べてみよ。

ということで今回はフィンランドについて雑にまとめていきたいと思います。
正味概略はウィキ調べれば出てくると思うので主に自分の関心である
教育とジェンダーをメインで調べていきたいと思います。

概要

フィンランド共和国(Suomen tasavalta)🇫🇮
人口 5,326,000人
首都 ヘルシンキ
大統領 サウリ・ヴァイナモ・ニーニスト 
言語 フィンランド語、スウェーデン語
ジェンダーギャップ指数(GGI) 4位

〈その他メモ〉
議会制民主主義。兵役制度がある(18歳以上の男子、女子は志願制)
男女同権思想がある。生産性の低い土地に住んでいたためか、農業時代から女性も男性と同じくらい働き、発言権を持っていたらしい
2000年前からサウナある(日本でいう風呂感覚)

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・教育「人材こそが最も重要な資産」という考え

フィンランドの教育は世界的に一目置かれているものであり、他国とは少し違う「教育」「学び」との向き合い方に関心を持ちました。

1日の授業時間がOECD平均を下回っていて宿題も世界的水準以下。
しかしデータで見てみるとOECD加盟国におけるPISA(学習到達度調査)2018では

・読解力:3位
・数学的リテラシー:11位
・科学的リテラシー:3位
(OECD加盟国37か国比較)

と高い水準をマーク。ただこれに対してフィンランドの先生は
「PISAのための学習ではないし、あくまで個人の学びを尊重している」
と話していました。(世界ふしぎ発見 世界一の教育国 フィンランドより)

むっちゃいい。。。。

スタイルも総合学校では1限の授業が45分で、1~2年生は1日に5時限まで、それより上の学年は7時限まで。しかし、現場の裁量が大きいため、授業時間は学校によって異なるよう。また、授業日数は年間で190日。6月から8月上旬までは夏休みです。学期中に秋休みやクリスマス休暇があったり、自治体ごとに休日が追加されたりすることも。

「クロスカリキュラム」(教科・科目を横断した学習項目)を重視していることもフィンランド教育の特徴の1つ。学校や先生の裁量が大きい分、日本のような「国語」「算数」など定義しきれない自由な授業もある。
(e.g.数学×美術 円グラフの見やすい色使いについて、体育×音楽×美術 ミュージカルの授業など)

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ここまで見てわかることは、教育の主役は学生であるということをどのシーンからも感じられること。また、そのための仕組みや整備もかなり予算を投じて行っているよう。

またフィンランド外務省は「社会的・財政的な背景に関わらず、あらゆる人々に平等な機会を提供していることです。」と述べていて、実際教育の無償化にかなり力が入っていたり、貧富の差関係なく誰もが公立校で学んでいるところにも特徴が現れてる。(e.g.基礎教育における文房具などの無償提供、給食の無償化)

〈気づき〉
あんま意識してなかったけど私の住んでた北海道札幌の学校は少しフィンランド教育に似てるところあるのに気づいた。

・毎年演奏会、ミュージカルに3ヶ月ぐらいかけてて基本アドリブやセリフは変更可能。セットも演奏も全部自分らで作る。
・山や公園で自由に虫見つけたり花愛でたり。絵書いてる子もいた。
・モラルって何?のポスター見て数人で話し合って調べて。
・学年を超えての交流活動を週1でやってた。6年生主体で各回内容も自由

でもいずれにせよ先生の手が加わってるんだよね、自発的ではない。日本は休み時間と授業がはっきりしているのに対し、フィンランドはその境目がフラット、かつ授業時間が短いために教室以外の場所でも学びを欲する。能動的に学ぶ設備も整っているからより専門的、実践的な学びが深まるのかな、とも思いました。

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・19’ジェンダーギャップ3位のフィンランド

・政治におけるジェンダー
19年の段階でフィンランドの女性国会議員の割合は47%(日本は24.3%)とまさに平等に近い数値を保っている。

フィンランドは1906年、女性に完全参政権を付与した世界初の国でもある。
また、政府レベルでジェンダー平等の推進に係る政策分野の主管省庁となっているのが社会・保健省であり、

・「ジェンダー平等ユニット」(Gender Equality Unit)
・「平等のた めのオンブズマン」(Ombudsman for Equality)

・「平等評議会」(Council of Equality) 

という 3 つの部局・組織が主に関係している。

フィンランドの男女平等は次のデータからも知ることができる。
(フィンランド外務省より)

資料を見ていてもわかる通り、フィンランドの歴史においても女性外交官が1930年の段階で誕生していたり、様々な職業分野で女性が活躍している面をみるとそのジェンダー平等のレベルの高さがわかります。

〈気づき〉
女性の社会進出の背景には熱心なキリスト教徒女性たちの奮闘やロシアからの解放などが絡み合って現在に至ることも調べる段階で知れました。さっきの教育でもそうだけど、スウェーデンやロシア統治時代が自由や平等に起因しているのかも。

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・フィンランドのセクシュアリティ教育
フィンランドの性教育は「セクシュアリティ教育」と呼ばれており、一般に性行為や避妊のみを指す言葉としては認識されていない。認識はそれよりも広く互いの関係性や多様な性のあり方、最初は「相手や自分の気持ち」というところからスタートしています。そのためセクシュアリティ教育は5歳からスタート。

おもちゃの貸し借りや大人への相談など、身近なものに見立てて性を理解することでリテラシーが育まれています。

また、首都ヘルシンキでは無料でコンドームやミレーナという避妊具が配られていたりという点からも教育の充実性を垣間見ることができます。

〈気づき〉日本では性に関する相談が恥ずかしい、声を上げづらい環境にあると思う。それに避妊に関してもフィンランドでは性別関係なく話し合ったり考えたりしているのに対し、日本ではそもそも義務教育で女性の話と捉えられていることが少なくない。こういったフィンランドの例を見るとやはりこの課題は教育でカバーする必要があると思ったし、台湾の小学生で性行為について学んでいる例なども加味すると重要性は高い。

・セクシャルマイノリティ

2017年に同性婚が合法化されたフィンランドでは約1万人の子供がセクシャルマイノリティ家族(=レインボーファミリー)のもとで育つと言われています。
ちなみに現首相のサンナ・マリン氏も母親とその同性パートナーに育てられたそう。フィンランドにはもともとパートナー制度が2002年からあったそうですが、同性婚合法化によって関係を結婚という形に変えた人も。
データではパートナーから婚姻関係に変更したのも、同性婚割合も女性が多い
という結果になっている。

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フィンランド最大のPRIDEイベント「ヘルシンキパレード」は去年6月末に行われた。プライドウィークには公園ピクニック、クラブなどのイベントが開催。3万人を超す人が参加したほか、レインボーフラッグやLGBTQIA+を象徴するものが街一帯に広がっています。

〈気づき〉
レインボーファミリーがこうして”普通”になっているのもまた、セクシュアリティ教育で「家族とは?」を考える時間が設けられているからだと思った。レインボーファミリーの存在を知っていれば、そもそも浅識で知られる某議員のような「生産性」を口にすることもなかったんだろうなぁ。

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最後に.

フィンランドの教育やジェンダーを通して日本は見習うべき部分はデータや事例を通してよくわかったけど、フィンランドも全てがパーフェクトなわけではない。
家庭の男性によるDV問題や移民問題、先日ニュースで取り上げられていた財務大臣の汚職など取り組んでいくべき課題も調べている中で明らかになりました。

調べていく中で多くでた「学校教育」。グローバルや多様性を語る上で教育改革はまず取り組むべき課題なんだなと心から思いました。
すごいたまたまなのですが、今日6月12日はヘルシンキ の誕生日だそうです。
Onnittelut☺️

参考にしたもの。

・「初等中等教育と高 等教育が接続した新しい科学教育カリキュラ ムとその指導方法の開発」鈴木誠(研究代表者)(2006),平成 15 ~ 17 年 度科学研究費補助金,基盤研究(B),課題番 号 :15300257,研究成果報告書

・HUFPOST記事

・東京新聞「性教育を必修にしたフィンランドはどうなった?日本との大きな差」

・フィンランドの子供食堂についてのnote/隣の芝生さん


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