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記事一覧
【短編小説】青蜂商店
いらっしゃいませ、お嬢さん。
ご新規さんがここに辿り着いたのはいつ振りですかねぇ…。
ここは青蜂商店。青い蜂、と書いてセイホウと読ませます。
お客様が望むものを望む形で手に入れる為の品を扱う店、とでも言っておきましょうか。
お嬢さん、どうしても手に入れたい人がいるのでしょう?
隠さずとも分かります。えぇえぇ、そのお気持ちも痛い程分かりますとも…。
なので特別に、おまけしておきましょう。
さぁ
【短編小説】最期の10分間
ボクは、同居人のあの男が嫌いだ。
一緒に外出している時はボクの呼びかけを無視して、他の奴らに作り笑いを向けてヘコヘコしているし、かと言ってひとたび家に帰ればボクに気持ち悪い笑顔で近付いてきてベタベタするし。
毎日同じご飯しかくれないし、おやつはたまにしか買ってこない。撫で方も無骨で雑で慣れていない感丸出しの癖に、ボクの呼びかけには普段の低い声からは想像出来ない程の裏声で応えて、これまた気持ち悪
【短編小説】いい子の呪い
ぼくは、常にいい子でいた。
最年長だから、弟妹達の指針であれ。
名家の生まれなのだから、聡明であれ。
生徒会長になったからには、優等生であれ。
でも、それを褒められたことは一度だってなかった。そう言ってきた人達にとって、ぼくがいい子なのは当然であり、ごく自然なことだったから。
だから、みんなに誘われて繁華街に初めて立ち寄ったことが両親に知られた時は大変だった。母は泣き喚いた挙句卒倒してしまう