【短編小説】だるまさんがころんだ
だるまさんがー…ころんだ!
あらら…全く動かないや…。
キミは本当にこの遊びが上手いね。
じゃー…もっかい。
だーるーまーさんがー……こ、ろ…んだっ!!
おお。また動かない…流石だねぇ。
でもさっきから一歩も進んでないじゃん。それじゃあゲームは終わらないよ?
ほらほらーもっとエンジョイしよう!せっかくクライマックスなんだから、お互い楽しまなきゃ損でしょ?
死んだ振りして伏せたままじゃあ、いつまで経っても仲間のカタキは取れないよ?
それともキミも、このゲームを降りてだるまサマの餌になる?
別にわざと負けるのもルール的にはいいけどさぁ…ボクとしてはもっとキミと、ヒリヒリしたゲームを続けていたいんだよなぁ。
じゃあ、次。いくよぉ?
だーるまさんがー…ころんだっ!!
あ。
思ったより手応えなかったなぁ…またみんな壊れてゲームオーバーだ。
分かっていますよ、だるまサマ。次の贄ですよね?
嫌だなぁ!アナタを裏切るなんてこと、するはずないじゃありませんか!
裏切った時点でボクはアナタに生きたまま身体中の骨を砕かれ、欠片も残さず食べられる…でしたよね?
忘れてませんよ。
だからこうやってここにやってきた罪人共を、『餌』と称してアナタに捧げ続けているのです。
ああ!お喋りしている暇があるなら次の贄を運んでこい、ですよね!では少々お待ちくださいね!!
お、これで全員目が覚めたかな?
じゃあ早速だけど、ゲームスタートだ!みんなはだるまさんがころんだ…って遊びは知っているよね?
キミらには今からボクとそれで遊んでもらうよ!
『タスケテ』
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