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【2024読了No.7】國分功一郎著『初めてのスピノザ』(講談社現代新書)読了。

『独学大全』(【読了No.6】)に触発されて、オンライン“読書会”というとのに参加してみることにした。

「こくちーず」という、主にオンラインの各種催し物各自を紹介するプラットホームで「読書会」を探してみた。殆どが自分が最近読んだ本を発表する形のものが多い中で、課題図書を決めた“読書会”をしている数少ない団体があった。

その団体の課題図書がスピノザの『エチカ』だった。スピノザは読了No.1の『武器になる哲学』にも取り上げられてなかった。

おまけに著者、つまりプロの哲学者自身が学生時代、「スピノザはとても人気がありましたが、ほかの哲学者と違って、読んでもすぐに分からない」と書く程難解なのだそうだ。

全くのド素人がいきなり原典に挑むのは無謀過ぎると思ったので、ガイドブック代わりに先ずこの本を読んでみることにした。

この本によると、スピノザの「『エチカ』では全五部を通じて実に多くの話題が論じられている」のだが、ただし、「この本が目指す最終目標はとてもシンプルで」、「『人間の自由』がそれに他なりません。」なのだそうだ。

しかし、スピノザの考える「自由」は、一般人の考えるそれとは違う🤔。

「制約がないだけでは自由とは言えない。そもそも全く制約がないことなどありえないというのがスピノザの出発点にな」るのだそうである。

スピノザは、全ては必然であって、「全く制約がないこどありえない」と考え、だから、自由も制約されると考えているそうだ。

「スピノザは『意志の自由』も『自由意志』も認め」ないそうだ。

「私たちは…意志を自分たちの中に感じるけれども、それは自由ではない、自発的ではない。…つまり意志もまた、何らかの原因によって決定されている。」

言われてみれば、親の影響で何かを始めるという話は多い。これこそまさしく「何らかの原因」に他ならないのではないか?

例えば2/24(土)、世界卓球団体戦で日本女子が決勝で中国🇨🇳にあと一歩まで迫った中で活躍した平野美宇選手が、卓球を始めたのは両親ともに卓球をやってきたから。お母様が卓球指導をなさっていたため寂しかった幼い美宇ちゃんは、「美宇もママと一緒にいたい」という気持ちで始めたという。


では、國分氏自身は、スピノザの言う「自由」をどう解釈してるのか❓️

その点では、かなり歯切れは悪かった。

「何かを認識すること、真理を獲得することは、認識する主体そのものに変化をもたらすのです。…漠然とであれ信じていた…概念の問題点を理解するためには、自分の考え方のどこがおかしかったのか、どこをよく検討せずに信じていたのか気がつかなくてはいけません。そしてそれに気づくことは、…これまでの考え方に変化をもたらすわけで…そのとき、あなたは…自分なりの理解するために仕方を知り、『なるほど』という納得感の感覚をも得ることになります。…自らの認識する能力についての認識が高まっていくわけですから、これは、つまり、少しずつ、より自由になっているのだと考えるかことができます。」 

認識する能力が高まるから自由になる❓️🤔
うーんちょっとわからない🤪

今のところ、たとえどんな「何らかの原因によって決定されて」いようとも、どんな「制約」を受けていようとも、「なるほど」という納得感を持って生きることが、自由に生きることだというふうに解釈している。

さて、読書会である。『エチカ』は課題とされた「第一部」まではなんとか読んだ。読書会は案の定「空中戦」が勃発。全くついて行けなくなった。哲学の研究史、大学レベルの数学、ラテン語。それらの素養がないとついていけない。

気がつけば、主催者ともう一人の“共同主催者”もだんまり状態になっていた。

やっとこの“共同主催者”さんが口を開いてくれたら、私が『エチカ』第一部で一番気になった「付録」について同じような感想を持っていた。

在野の哲学者ではない、フツーの人の感覚なら、「やっぱそこでしょ👍️」という感じがした。

読者会参加を経験して、私のようなラテン語もわからないド素人が、哲学と向き合うのは無謀なのか?🤔

などと考え直したとき、この本の著者國分氏の提示する考え方がひとつの指針となる。

「いつの時代の誰々という哲学者がこれこれのことを言ったという事実を知ることも大切です。しかしそれは哲学を勉強するにあたって最も重要なことではありません。哲学を勉強する際に一番重要なのは、哲学者が作り出した概念を体得し、それをうまく使いこなせるようになることです。…哲学は万人のためのものです」

哲学を体得して街に出よう‼️

そうすれば、また世の中の見方が変わる。
それでいいじゃないか❗️と思った。

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