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【読了2023 No.33】野村克也著『野村の流儀』(ぴあ株式会社)読了。

文武両道を「永遠の浪漫」とばかり追いかけている私には、やっぱりスポーツ選手や指導者の書いた本が合うようだ。

誰でも知っている知将野村克也の語録である。

自分も人に指導するのを生業としているので、どの言葉も心に響き、気づけば付箋だらけになってしまった。


野村氏は特に「感性」の力を特に信じている。

そりゃそうだよね。


指導者には鋭い「感性」が必要。

指導する相手の考えが読めなければ、相手を導く方法なんてわかりゃしない。


以下、「感性」に関するものだけ集めてみた。


「大事なのは予測能力。『読み』である。私に言わせると、『読み』は①見る②知る③疑う④決める⑤謀るの五つの段階から成り立っている。この能力を身につけられるかどうかは、『他人よりいかに多く感じる力に優れているか』にかかっている」

「感じる人間が勝ちを制する。感じないことは罪であり、鈍感は人間最大の悪」

「感性は生きる力なり。感性なくして人間は生きられない」

「感性を磨くには感動体験を味わうこと。出来る限り本物、最高級こものに接すること」

「感性は執念と向上心から湧き出る」


全体を読んで、指導とは、選手や生徒を引っ張ることではなく、納得させられることや夢を持たせることであると悟った。


特に素晴らしいのが、南海に移籍してきた江夏をリリーフ転向を決心させた言葉。

当時の日本のプロ野球は、投手は先発完投してこそで、リリーフは裏方だった。

それをこれからは大リーグのような分業体制になっていくと説得した上で、


「革命を起こしてみないか」


と言ったそうだ。

この言葉、ゾクゾクするよね。

江夏も心を射抜かれたんだろうね。


でも、こんな言葉が出るのも、

江夏の心をしっかり洞察して、彼のプライドに揺さぶる言葉を見つけられたからなんだろうね。

その力の源は、「感性」を人一倍重視し、感性を鋭く磨いてきたからなんだろう。

それに加え野村氏の豊かな語彙があったからだ。そして、豊かな語彙の源こそが膨大な読書量である。


年頭、私は50冊読むと宣言したが、夏期にかなり減速してしまった。

読書の秋だもんね。

これからたーくさん読むぞ❗

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