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世界40カ国を旅した商社員が、人の心を扱うプロになった理由


ごあいさつ

はじめまして!
対話やワークを通して自己理解を促進するコーチングを提供しています。
一人一人が自分らしさを理解し、自分の状態を認識し、漠然とした見えない何かに追い立てられるように生きるのではなく、素直に自分が嬉しい!と感じ納得感のある幸せな生き方を見つけ出して行動を起こしていく。そのサポートをしています。

そうした仕事を始める事になったキッカケとして、これまで40の国(計65回程)を旅して出会ってきた人々が大きく影響していると思うので、自己紹介がわりにその経緯を書き留めておきたいと思います!



中国で出会ったおじいさんの話

何年か前、年末年始のお休みを利用して中国の福建省に一人旅をしました。
福建省は中国の南部にある地方ですが、そこに客家土楼という巨大なドーナツ型の世界遺産があります。

客家土楼とは、巨大な壁でまわりを囲い、外敵を防ぐ要塞の役割も持つ居住用の建造物で、大規模なものだと千人程が住める物もあるのですが、観光客でもそこに泊まる事が出来るという情報を入手し、興味本位で訪ねてみたのでした。

現地入りすると中国人の専属ガイドさんに付いてもらい、客家土楼のある山奥の村まで連れて行ってもらいました。

客家土楼!(参考資料)
客家土楼の内側!(参考資料)


アモイという南部の都市から車で何時間もかかる山道をひた走り、途中の村で休憩していた時の事。のんびり日向ぼっこをしていたご近所のお年寄り達の中から、一人のおじいさんが近づいて来ました。
ガイドさんが私の事を日本人だと紹介すると、おじいさんは私の手を握ってこう言いました。


「こんな遠くの田舎まで、わざわざ日本の学生さんが訪ねて来てくれるなんて本当に嬉しい。私の父は戦争中に日本軍の爆撃で死んだ。でも、日本を恨んではいない。戦争は絶対にダメだ、平和が一番だ。」


おじいさんは皺だらけの顔に埋もれた潤んだ目で私の顔を見つめ、嬉しそうに微笑みながらそれだけ言うと、またゆっくりと歩き去っていきました。

国同士の問題や人の意見は様々だと思いますが、この時のおじいさんの心のこもった一言も、手の温かさも、私にはとても重くインパクトのある記憶となりました。思いがけない言葉に驚いて、ありがとうと笑い返すことしか出来なかったのが心残りだった。

(ちなみにその時全然「学生」ではなかったけど、そこはありがたく受け取っておきました)

このおじいさんのように、これまで旅先で出会ってきた多くの人々は、〇〇人だからこう、男だから、女だから、年寄りだから、若者だから、というカテゴリーで人を見る事の無意味さを教えてくれました。同じ国の中でも、差別的な言葉を投げかけてくる人もいれば、心からの親切心で力になろうとしてくれる人もいる。いい意味で、自分の中で凝り固まっていた常識を壊してくれました。

様々な場所でたくさんの「違う」人達と出会い、たくさんの「同じ」も知りました。意外と笑いのツボが同じだったり、同じような事で思い悩んでいたり。
インドのマッサージ屋の女の子は、彼との遠距離恋愛に悩んでいる事を打ち明けてくれました。モンゴルの遊牧民の青年は、知らない土地に働きに出る事に不安を抱えながらも、成長していくために自分を奮い立たせようとしていました。

旅先で出会った人達は、78億人分の個性が、それぞれの価値観が、願いが存在することを教えてくれた。
一人一人の想いや人柄に対してきちんと誠実に向き合いたい、自分が心で感じたものを、自分の目で見たものを信じたい、と思いました。



子供の頃は近所のスーパーにも行けなかった


今ではアフリカでも南米でも一人で気軽に旅行に行く私ですが、小さな頃はとても大人しく引っ込み思案な性格で、中学生くらいまで一人では近所のスーパーに行くにもドキドキするような子供でした。

男子から「無口」と言われいじめられる事もあり、明るく快活でクラスの中心にいるような子達を見てはうらやましく思い、うまく振舞えない自分がみじめで情けなくてたまらなかった。
自分はダメで、自分以外の人はみんな完璧なんだと思っていました。
 
英語好きな母親から英語学習を叩き込まれていたので(毎晩テストにクリアするまで夕飯お預けだった)中学に上がる頃には自然と英語が得意になっていて、海外や異文化に興味を抱くようになっていました。

自分は弱くて不十分な人間だという子供の頃からの思いはずっと続いていたので、学生の頃からちょくちょく海外一人旅をするようになりました。
自分を鍛え強くなるための試練を自分自身に与える、という意味で。

(長期留学をする勇気はまだ無かった。)



仕事でアフリカの建設現場に長期滞在


その延長で、海外と関わる仕事がしたいという思いから卒業後は商社に就職。
営業職でしたが、次第に物を売る事より自分は人と関わる事が好きなんだな、と気づくようになりました。

それはアフリカ・アンゴラ共和国でのプラント建設という数百億円規模のプロジェクトに携わっていた時も同じで、長期間アンゴラの現場に入って仕事をしている間も、いつも気にかかるのはプロジェクトの成功よりも目の前にいる大勢の人達が辛い思いをしていないか、長期に渡る現地生活で苦しんでいないかという事でした。

上司から「みずさんは下請けと距離が近すぎる」と怒られた時も、その思いは変わらなかった。
韓国の下請けの人は「◯◯社の為には何もしたくないけど、みずさんの為なら何でもする」と言ってくれたし、プロジェクトが無事終わって時が経った今でも、関わった多国籍の人々は私にとって大切な存在です。


コーチを目指したきっかけ


子供の頃は自分以外の人はみんな完璧に違いないと思っていましたが、大人になるにつれて次第に「あれ、そうでもないな…」と気づき始めます。
みんなそれぞれに悩みやコンプレックスを抱いている事も分かりました。

それでも、仕事能力が高かったり気遣いが出来たり、みんなに愛される人気者だったり美人だったりと、私が羨ましいと思うものを持っているにも関わらず、なぜか自己評価が低くて「自分なんて何も出来ないと思っている」と本音を漏らしてくれた友人がここ数年で何人もいて、なんで?!と驚くと同時に、とてももどかしく悔しい気持ちになりました。

素敵な人達に、自分が素敵だと気付いてもらいたい。そう思いました。

そして、2年程前に出会っていたコーチングや自己理解ワークといったものが何か役に立つのではないか、そう感じたのがコーチングの勉強を始めた直接のキッカケです。


コーチングで見つける、それぞれの物語


自己理解とは、自分が何を大切にしている人間なのか?どんな強みや魅力があり、何に対して情熱を燃やせるのか?そしてどんな思考のクセや思い込み(認知バイアス)を持っているのか。自分を苦しめる心のモヤモヤの根本的な原因はなんなのか?
それらを自分できちんと理解してあげた上で、他人と自分を比べたり他人からの評価に一喜一憂するのではなく、自分を生かし自分を満たす道を見つけて行く事。「普通」という基準とは別に、自分なりの選択肢を増やす事。
そして対話やワークを通してそうした気づきを引き出していくのが、自己理解コーチングです。

コーチングで対話させてもらうたびに、それぞれのクライアントが持つ美しい物語のページを開いてのぞかせてもらっているような感覚になります。

「私なんて大した人生生きてきてないから」という人もいますが、普通なんてどこにもないし、退屈な人なんて一人もいないという事を実感します。

みじめだった過去も、恥をかいた経験も、抑えようのない怒りや悲しみも、ネガティブな部分もひっくるめて全てがその人自身を輝かせている構成要素。無駄なものも、あってはいけないものも何一つありません。

こうしなければいけない、こうあるのが普通、だってみんなそうだから、というのが一番つまらないと思っています。



それぞれの人が、それぞれの持つ色を思う存分キレイに放てるようになったらいい。
78億人分の鮮やかな輝きで、世界が彩られる日が来ること。
それが、今の私の願いです。



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