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何度も同じ場所に戻る無限ループを、私たちは一生繰り返しております。

以前仕事でアフリカから日本に帰国する際、ドバイの空港で飛行機の乗り継ぎをしました。

ドバイ空港で時間を潰すためにスタバに寄ったのですが、レジで「出来上がったら呼ぶから名前教えて」と言われ、「ゆり」と答えました。(下の名前であります)

そんでしばらくして出来上がってきたのがこれ。


UDI。

ウッディーじゃないんよ。

まあでも外国人の名前なんか聞き取れませんからね。
世界中から人が集まるハブ空港で、よくこんな事するな〜(逆に大変じゃないかな)と感心したものでした。

世界中多くの場所を繋ぎ、多くの航空会社の飛行機が行き来するハブ空港。
これ、実は私たちの「脳内」にもあって、日々私たちの思考を支配しています。
今回はそんなお話です!



私たちの思考は電気信号


私たちの脳内には、ニューロンと呼ばれる神経細胞がシナプスを介して繋がっていて、電気回路のようになっています。
ニューロンとニューロンを繋げているこのシナプスは、私たちが考えたり学んだりしていく中で生まれて、形を変えたりしています。

頻繁に考える事についてはシナプスが太くなり、通りが良くなるので、伝達物質が多く放出される。繰り返し使わない記憶は消去していきますが、繰り返しよく使う記憶に関してはシナプスを太くし、覚えやすく、思い出しやすくしていくのです。

最初は歩きにくい獣道として生まれたものが、多くの人が行き来しているうちにトラックもガンガン通れる大通り、交通の要になっていく感じです。

大通りはいつだって休みなしさ!


私達は思考する。ほぼ無意識に。ネガティブな事を。


人は生まれた後の幼少期、親や家族など近親者に育ててもらっていく中で、「世界はこういうもの」「自分はこんな存在」「他人とはこういう存在」という事を学び、この世界で生きていくための思考の土台を自分の中に形成していきます。

子供の頃に形成された思考の土台は、大人になっても私達の中に残り続けているので、この土台をベースに日々思考し、行動を起こしています。

そして、何かしら出来事がある度にこの土台から条件反射的に生み出される思考を自動思考と呼びます。

自動思考の例として、例えば…

●どうせ自分には無理だ

●ちゃんとしなくちゃ

●嫌われちゃったかも…

●こんな自分を早く変えなきゃ

●絶対に私が正しい

●またマウント取られた

●どうせ人は離れていく

●○○すべき、○○すべきでない

などなど、人によって色んなバリエーションがあると思います。


また私ったら


人間は1日に6万回思考している、と言われています。

しかもそのうちの95%は昨日と同じ事を考え

80%はネガティブな事を考えているそうです。

つまり、幼少期に形成した思考の土台から生み出される「自動思考」によって、毎日毎日繰り返し繰り返しネガティブな事を思考している可能性が高い。

ここで冒頭に戻ると(ウッディーまでは戻らないで下さい)、私達が自覚なしに繰り返し思考しているネガティブな自動思考は、脳内のシナプスを太く育て上げ、トラックも通れる広い大通りを形成しているのです。


新宿駅まで快速で15分。脳内ならば一瞬です。


ここで冒頭のウッディーに戻ります。

ドバイ空港は、世界中の都市と繋がり、多くの航空会社が乗り入れるハブ空港です。世界のどこにいたって乗り換えなしに直行ですぐに行けちゃうのがハブ空港。

もう少し身近に電車で例えると、1日の乗降客数が世界一多いターミナル駅である新宿駅のようなものでしょうか。
多くの路線が繋がっているので、どこに住んでいても新宿駅なら行くの便利。だからみんなで集まって飲むのにも便利。物件を探すときにも「新宿駅まで乗り換えなしで○分」とかって表記されていますね。

脳内の新宿駅も同じです。
どこにいても、何を考えていても、気づいたら新宿駅にいます。めちゃくちゃアクセスが良いのです。全然関係ない事考えていたはずなのに、気づいたら新宿駅にいます。

いつもの、「どうせ自分には無理」「ちゃんとしなくちゃ」という脳内ターミナルステーションにたどり着いてます。

便利とはいえ、新宿駅だったら電車に揺られて辿り着くのにいくらか時間はかかると思いますが、脳内の電気信号だから、一瞬で着いてます。


自覚すると、自分でもびっくりするくらいいつも同じとこに着地してる!


ちなみにですが、この話を書こうと思いついた時、私は「世界が愛にあふれるといいなぁ…」って考えて、優しさと慈愛に満ちた気持ちでニコニコしていました。

なのに、気がついたら1ヶ月前ぐらいに知人から言われた言葉を思い出してイラついていたのです。

私のターミナルステーションは、「バカにされた」です。気がつくといつもそこにいます。あの時バカにされた…と思い出したり、人の言動を「自分はバカにされたんだ」と解釈しては腹を立てるというパターンを持っています。(ちなみに相手にそんな意図はない事がほとんどです)

「また…気がついたらいるやん…ここに…わたし」と愕然としたことから、この話を書こうと思いつきました。

愛に溢れた気持ちでいる時ですら、連想のきっかけさえあれば、脳って秒速でいつもの大通りに行っちゃうんですね。

客観的、俯瞰的な視点って大事だよね。


空から俯瞰して見下ろすとよく分かる


これが、脳内で日々繰り広げられている無意識の思考の動きです。
あなたの脳内ターミナルステーションは、新宿駅でしょうか?渋谷駅や東京駅でしょうか?あるいは「ちゃんとしなきゃ」や、「嫌われちゃったかな」でしょうか?

普段は自分でも自覚せずにそうした思考のパターンに飲まれていると思いますが、いったん自分のパターンに気づくと、自分の頭の中を俯瞰して見る事が出来るようになります。空の上から新宿駅を、東京の街全体を見下ろしているイメージです。

「あ、今日もまたここに来てたわ私!」と気づけたら、そのパターンから抜け出す第一歩になります。

おっけー。


またドバイの空港のスタバに行く機会があったら。

次は「アン・ハサウェイです」って言ってみようかな!

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