『雛』と書かれた行灯が見えた。
通りにある潜り戸の先は、竹垣に挟まれた長い隘路が続く。
足元には白玉砂利と飛び石が敷かれ、ぽつぽつと置かれた行灯が、客を奥へ奥へと誘う。しばらく歩き、突き当りの引き戸を開けると、活気のある空気が流れ出た。
女将もお客も全員子供のここは、大人お断り。

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