見出し画像

コロナ禍で変わり始めた海外大学留学マーケット

先日、このような記事を発見しました。

ご存知の方も多いかと思いますが、渋谷教育学園渋谷中学・高校、同幕張中学・高校共に名門進学校、国内の難関大学はもちろん海外の名門大学への進学も多いのが特徴です。

田村校長のお話によると、今年の卒業生3名が東大に合格したにも関わらず、3名の学生が東大を辞退し、海外進学を決定したとのこと。日本人の中で、長い間に渡り"トップ大学"として君臨し続けた東大を辞退し海外の大学を選ぶ流れ。高校生の中での価値観の変化、そして、変わり続ける教育の中でなかなか変わることができていない日本の大学の課題が浮き彫りになっているような気がします。

"留学"ではなく"進学先の選択肢の一つ"としての海外大学

今までは英語が話せるようになりたい、新しい世界を見てみたい、挑戦したい、と言う理由で海外留学を選んでいた人が多かったように思います。
海外に憧れ、グローバルに活躍したい、と言う夢。もちろん、これからもそういった価値は留学にあり続けるし、私自身も経験しましたが海外に住んで同年代の子たちと一緒に大学に通う生活は何にも代えがたい貴重な経験です。

ただ、このコロナ禍において簡単に渡航ができない、どこにいてもオンラインで授業を受ける、と言う新しい生活様式に変わり始めてからは"大学生として4年間を過ごす場所"としての"大学"ではなく"社会に出る前に挑戦する場所・学ぶ場所"としての"大学"の意味合いが強くなったのではないでしょうか。

学生時代から様々な経験を積んできている現代の高校生

画像1

ITリテラシーの高い高校生は、現在は高校時代からたくさんのことに挑戦する機会が溢れています。以前は物理的制約が大きく、なかなか高校生の間に多くの人と出会ったり、様々な情報を得ることが難しかったですが、今は、パソコン一台あれば世界中の人と繋がることができます。

日本人の優秀な高校生は、これから自己実現ができる大学はどこか、一番自身が学べる大学はどこか、と言う軸により重きをおいて進学先を決定していくのではないでしょうか。

勉強や部活だけではなく、社会や企業の課題について、真摯に考え、解決策を模索する生徒は確実に増えています。そんな生徒はただ偏差値が高いと言うだけで大学を選択するでしょうか。自分の将来のキャリアについて真剣に考え、悩み、そのために必要な教育環境を選ぶわけです。今はグローバル社会ですから、海外の大学は当然選択肢に入るのです。難題だった留学に関する費用の問題も、今は孫正義さん(ソフトバンクグループ会長兼社長)や柳井正さん(ファーストリテイリング会長兼社長)など著名な経済人が財団をつくり支援してくれています。

魅力的な海外の大学

もちろん"東大"と言う日本人なら全員が知っているネームバリューを捨てて、海外の大学を選ぶことに対しては本人も、ご家族も悩まれたと思います。でも、それでも海外大学を選んだと言う大きな決断に拍手を送りたいし、応援しています。決して東大<海外の大学と思っているから、と言うわけではなく、世の中の当たり前ではない決断を下すにあたっては、たくさんのことを考えたし、勇気が必要だったと思いますし、確固たる理由や目標があったからこそだと思うのです。

多くの問題を抱えている現代社会において、このような若者が増えていくことはとても心強いですね。

米ハーバード大学よりも難易度が高いミネルバ大学

記事の中で、卒業生の一人はミネルバ大学への進学を決めたと書かれています。米ハーバード大学より難易度が高いと言う異名を持つミネルバ大学ですが、そもそも100%オンライン授業でのカリキュラムが組まれているため、コロナ禍以前から、オンラインでの授業でした。

20名以下のクラスメイトとのディスカッションを軸に授業が進み、評価において授業への参加が重きを置かれるミネルバ式教育では、きっと「オンライン授業がおもしろくない」と言う言葉はまず聞くことはないでしょう。

皆、事前の予習に余念がなく、ディスカッションではクラスメイトの発言をオープンマインドで聞き、新たな考え方や価値観を学び続けています。そして、自身もクラスで発言することで自分がどのような人間であるかを伝え、受け入れてもらうことで"自己"を確立していくと以前、片山さんがパネルトークでお話しされていました。

コロナ禍であっても世界とのつながりや学びを止めてはなりません。私たち大人はこのような環境下であっても、自分と向き合い、社会のために貢献して行こうと考えている若者の皆さんに向けて、そのような場を提供し続けることがミッションだと改めて感じました。