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文科省≒「逆・ゴルゴ13」

文部科学省は、教員の事務作業などを支援する「スクールサポートスタッフ(教員業務支援員)」の人件費補助を現行の約1万3千人分から来年度は2万8千人超分に倍増させる方針を固めたそうですね。
外部人材との連携を強化して教員の働き方改革を推進し、児童生徒の指導や授業の準備に集中できる体制の構築を目指すそうです。

要は、いつもの文科省のアリバイづくりです。

文科省は、「やるべきことはわかっているけど、決してやらない」素晴らしい組織です。

教員の働き方改革を推進するなら、答えは決まっています。

①教員を増やす

②業務量を減らす

個人的には、この2つ以外に解決策はないと思っています。

無論、両方とも並行して実行することが望ましいのですが、流行りの言葉を使うならば、この国は「ザイム真理教」に支配されていますから、①は財政上の問題からはっきり言って困難だと思います。

したがって、現実的には②しか採るべき途はあり得ません。

②の良いところは、基本的に余計なカネがかからないところです。直接生徒に資する業務以外は徹底的に削減して、学校の業務をスリム化すれば良いだけです。学校外にあぶれた業務を押しつけるわけでもなく、外部委託するわけでもなく、単にやめてしまえば良いのです。勇気の問題です。一度やめてしまえば、あっけないほどに無くしてもなんの問題もないことがわかると思います。

※これは、別の機会で必ず詳しく述べたいと思っていますが、そもそも学校という組織には無駄な業務が多すぎるのです。
教育委員会から降ってくる謎の「オシゴト」なら多少の愚痴を言いながら、テキトーに最低限の熱量でこなすので、まだ許せます。
腹立たしいのは学校内部に、わざわざ余計なシゴトを増やして、首を絞める教員が少なくないことです。
しかも、彼ら彼女らは思いつきで物事を提案します。にもかかわらず、実務は決してやらず(やる能力にも欠けている)、自分は良いことを言ってやった感を出してドヤ顔を見せるのです。
本当に奴らはストレスの素です。私が業務削減やら廃止やらの提案をすると、怪訝な顔をして「アイツはサボることしか考えていない」「いい歳して、教員としての資質に欠けるダメなヤツだ」とでも言いたげです。(いくらでも愚痴は言えますが、今日のところはこのへんでやめておきます…)

さて、文科省(ていうかこの国の政府)が、本当に「教員の働き方をどうにかしたい!」とか「教員志望者を増やしたい!」と考えているなら、やることは明白なのです。

結論、「余計な仕事から教員を解放する」だけです。高校教員の立場から言うと、「教科指導(授業)になるべく専念させる」と言い換えても良いでしょうね。

教員の給料は、高くはありませんが、決して安くはありません。現場感覚では、賃上げ要求に固執する教員はほとんど居ません。一方で、労働環境の悪さを訴えない教員もほとんど居ません。したがって、まともな労働環境を提供できれば、不本意な離職は防げるし、まともな人材は自然と集まるのです。

さて、これまで文科省は何を提案してきたでしょうか?一部しか列挙できませんが例えば以下のようねものがあります。

「教員には時間外勤務手当(残業代)が支給されない現行の制度があることはわかっているけど、時間外勤務は45時間までにしようね!」
「部活動支援員を設置しようね!もちろん、全ての学校の全ての部活に配置するのは無理だよ!」
「教員志望者が少なくなってきているから、教員採用試験問題を簡単にして、受験会場も増やしてあげるよ!」
「教員になったら、奨学金の返済が免除されるかもしれないよ!」

さて、ゴルゴ13の依頼の遂行率はほぼ100%と言われています。
一方で、文科省は現場の教員が望んでいないことばかりを打ち出してきますね。現場の教員からの依頼の遂行率はほぼ0%なのではないでしょうか。

繰り返しますが、これ以上カネをかける必要はありません。もっと必要なところに予算は配分してください。

「教員のやるべき業務を減らすこと」

どうか、これだけは文科省が旗振り役を担ってほしいです。

【結論】

①文科省の施策はいつも見事にズレている

②日本の財政状況的には、教員増や給与増は非現実的である。よって、教員業務の精選・スリム化を図り、教科指導に専念できる労働環境の構築が重要である

③久々に読んだけど、やっぱり『ゴルゴ13』は面白い





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