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「自閉性が強い」という言葉

「(意外に)自閉性が強いのかもしれないね」
児童発達支援・放課後等デイサービスなどの福祉の現場や医療機関でこのような言葉を聞くことがあります。
私は様々な「自閉症」の方と共に過ごしてきたので【自閉性が強い】【自閉度が高い】という感覚はわかるのですが…この言葉にモヤモヤしているので解像度をあげていきたいと思います。
状況は
・ Aくん5歳男の子の歯磨き
・ 歯磨きは手順書を頼りにしている
・ 手順書はうがいまでのイラストがある
気になる場面は
歯磨きまではひとりで行うが、片付けができない。大人が声をかけても拒否する。

【手順書がうがいまで】がポイントです。

「うがいまではできる。【片付け】は手順書に入っていないから、わからないのでは?」という見立てから『自閉性が強いのかもしれない』となります。
この場合の『自閉性』は
・視覚でインプットしたほうが、アウトプット(行動)しやすい
・聴覚からのインプットが苦手
・見通しがもちにくい
などの特性を指していて

【視覚での認知が優位である】ということなのだと思います。

発達の視点からは
・【片付け】に意味をもてない(社会的自我がまだ育っていない)
・「〇〇してから□□する」という【対】の世界が育ちきっていない
・【自分で決めたい】発達段階であるのかもしれない
と見立てることもできそうです。

さて、Aくんにどんな支援をしますか? 
特性という視点からみると…
手順書に【片付け】を入れれば、できるかもしれませんね。

発達エクササイズの視点からは
・聴覚からインプットする力を伸ばしたい
→前庭覚へのアプローチ
・見通しの力を伸ばしたい
→裏(背中)へのアプローチ
・対の感覚を育てる
→右と左、表と裏へのアプローチ
・自我を育てたい
→重力へのアプローチ

などが考えられます。
5歳のAくんには、遊びの中で楽しくできそうです。
「〇〇ができない」
「〇〇の特性がある」
「自閉度が高い」
の解像度をぐっとあげていくと、見えてくるものがありました。

こどもが見せる姿にぐっとフォーカスすることで、つまづきが見えてきます。
そうすると、アプローチするポイントがわかりますね♪

必要な方に届きますように。








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