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太平洋に浮かぶたくさんのゴミを「国家」として申請「Trash Isles」 【PR研究所009】

 僕たちが生活する上で必ず出てしまうプラスチックのゴミ。ポイ捨てや投棄されたゴミは海に流れ着いてしまうケースもあります。そして太平洋に浮かぶゴミは、今やフランスの国土と同じ大きさ(!)にまでのぼるそうです。

 それを受けた海洋環境NPO「Plastic Oceans」は、問題を認知させるためこの太平洋に浮かぶプラスチックゴミの島を「Trash Isles(=ゴミ諸島)」という「国家」として正式に認めるよう国連に働きかけました。

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 「ゴミの島を国連に加盟させてしまおう」というこの大胆なプロジェクトは、問題を引き起こしている太平洋諸国が放っておけなくなるよう、深刻な問題だと捉えてほしいとの思いで動きだしました。

 ゴミ諸島は、本気で国として認めさせるため国旗、通貨、パスポートが準備され、さらには国民の募集までかけられました。
 ゴミ諸島の国民には、なんと22万人もの応募があり、著名人や世界的インフルエンサーも多く賛同を示す形となりました。

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(実際に作られたパスポート、通貨、切手。※画像はgreenz.jp

 この壮大なキャンペーンは、2018年のカンヌライオンズPR部門にてグランプリを獲得しました。メディアは「Trash Isles」を次々と報道し、約5億人にリーチする形となり大きな話題を呼びました。

 海に浮かぶプラスチックのゴミは、前回「WWF 人は1週間にクレジットカード1枚分のプラスチックを食べている?【PR研究所003】」でも取り上げたようにかなり深刻です。僕もこれ以上、ゴミ諸島の国土を大きくしないようにしたいと考えるようになりました。

 PRの事例として特に注目すべきは1点あります。
 それは、「ゴミの島を国連に加盟させてしまおう」というインパクトの大きさが成功に繋がったことです。実際に国として設立してしまおうという新規性はもちろんのことですが、何よりも "ガチ" だったことが成功の要因だったのではと思います。国旗、通貨、パスポートそして国民がぞくぞく集まっており、 "ガチ" で国を建てようとしていってます。彼らは "ガチ" なんです。一つのNPOから始まり大きなムーブメントに発展したPR成功の秘訣は とことん "ガチ" になって物事を大きく広めていくことだったのかなと考えます。


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