見出し画像

私と旅行の話

私の学生時代は、修学旅行で韓国に行った以外は海外とは無縁の生活を送っていた。

旅行が好きになったきっかけは、社会人3年目の6月。
当時の仕事は繁忙期と閑散期の偏りがあり、たまたま6月にまとめて休みが取れたので、こんなに休みがあるならと海外に行くことを決めた。

しかし、6月である。
旅行シーズンではない、こんな微妙な時期に一緒に行ってくれそうな友だちはいなかった。
だが、連休は8日もある。
大学の卒業旅行で海外に行けばよかったと後悔していた私は、一人で海外に行くことを簡単に決めた。

行き先もすぐに決まった。
当時、一人旅の需要も高まっていたのだろう。
ある旅行会社が一人旅プランを提案していたので、女子旅に人気(つまり安全な国と考えた)+旅行の閑散期で旅費が安い、という理由でフィンランドのヘルシンキ行きが決まった。

ちなみに(よくある話だが)英語は全然話せなかった。
大学入学時のTOEICは多分450点くらい。
それ以降、英語をしっかり勉強することなく、使う機会もなかったので英語力が伸びるはずもない。

初めての海外一人旅は、「Thank you」「Yes」「No」で乗り越えたと言っても過言ではない。
フィンランド語の「モイ/モイモイ(こんにちは/バイバイ)」「キートス(ありがとう)」も最低限覚えて行ったおかげで、笑顔で過ごすことができた。

飛行機と宿だけがセットのプランだったので、ツアーではなく完全フリーの3泊5日。
街全体がおしゃれで可愛いヘルシンキは歩くだけでも本当に楽しかった。
日照時間が長い時期(日没が23時頃)だったので明るい時間はたっぷりあった。
時間を気にせずのんびり過ごしてリフレッシュした。

ただ、やはり後悔もあった。
もっと英語が喋れたら。
一人旅だからなおさら、現地の人ともっとコミュニケーションを取れたらもっと楽しい旅になっただろうな、と。

全くコミュニケーションが取れなかった訳ではない。
記念に写真を撮ってもらおうとした時に、「写真を撮ってもらえませんか?」という英語のフレーズを頭の中で何度も繰り返し、声をかけるシミュレーションも頭の中で何度も繰り返した後、やっとの思いで優しそうな女の人に声をかけて撮ってもらった。
緊張しすぎてポーズを取る余裕はなく、なかなかのおばショットになった25歳がこちら。

港近くの屋台でサーモンスープを食べていた時のこと。
フィンランド人なのか旅行者なのかは分からなかったが、近くに年配の夫婦が座って同じくスープを食べていた。
そのうち1人が水をこぼしてしまって困った様子だったので、すかさず私が持っていたティッシュを渡した。
特に会話をしたわけではないが、笑顔でありがとうと言われたのは分かった。
私はニコッと笑ってその場を去った。

余談だがその4年後、カナダのバンクーバーを一人で観光していた時のこと。
見知らぬ人と相席してご飯を食べるというヘルシンキの時と同じシチュエーションになった。
その時には、どこから来たのかという話から旅の目的や家族の話、美味しい食べ物の話などをして楽しくコミュニケーションができるまでには成長している。

フィンランドではそんなコミュニケーションが出来ず悔しくて、それから少しずつ英会話を勉強するようになった。
(継続は力なりとはよくいうもので、使う機会が全くなくなった今現在、自分の英語力がどうなっているかはこわくて知りたくない。)

フィンランド一人旅から、海外へのハードルが一気に低くなり、それから20代後半はインドネシア、カンボジア、カナダなどの海外へ積極的に行くことになる。

行ったことのない場所に行くと、まさに「世界が広がる」。
ドキドキワクワクしながら非日常を楽しむ。
自然と旅行が好きになっていた。

もちろん、海外旅行だけでなく日本国内での旅行も好きだ。
まだまだ行きたいところは沢山ある。

今では気軽に県外に行くことも憚られる世の中になってしまったけど、はやくまた気軽に旅行に行ける日が来ることを願っている。

そしたらまずは、新婚旅行に行きたい。

この記事が参加している募集

#自己紹介

231,424件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?