【映画レビュー】『福田村事件』:人間の中にある「社会的なもの」と「私的なもの」
総体的な話になるが、韓国映画は日本映画に比べて、力があるし、面白いと感じる。その一つの理由として、社会の矛盾や自国の負の歴史といった、目を向けたくない、ときには、隠蔽されるような社会的なテーマをきちんと取り上げ、エンターテイメント性のある映画として仕上げているからだと思う。躊躇したり、遠慮したりしないからこそ、そういうことができるのだと思う。
この映画は、負の歴史と正面から向かい合っていて、ずっしり重いのだが、群像ドラマとしてもエンターテイメント性の高いものになっていて、