生理前に「精神の乱れ」で苦しむ37歳女性の日常
〜子どもを出産した後、夫との関係に悩み続けた〜
バイエル薬品が制作し、婦人科などで配布している冊子(『生理前カラダの調子やココロの状態が揺らぐ方へ PMS 月経前症候群』)によると、約74%の女性が、月経前や月経中に身体や心の不調(月経随伴症状)を抱えているという。
月経随伴症状とは、月経前はPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、月経中は月経困難症と呼ばれる症状だが、日本ではまだあまり知られていない印象だ。
しかし、毎月月経前になると精神状態や体調が変化することに気づき、悩んでいる女性は少なくない。
そこで、実際にPMSやPMDDに苦しむ女性の事例を紹介することで、PMSやPMDDについての理解を社会に広められたらと思う。
■産後クライシスから別居
東京都在住の久保真弓さん(仮名、37歳)は、20歳のときに2歳年上の夫とアルバイト先で知り合い、数年間の同棲を経て、28歳のときに入籍。3年後に長男を出産し、その2年後、2人目を妊娠しているときに、異変が訪れた。
「息子を出産後、1年でパートに復職した頃から、いつもイライラしてしまって、夫とケンカばかりするようになっていました。この頃の夫は、家にいると居心地が悪いと感じていたそうですが、私のほうは夫を“敵認定”してしまっていて、夫が家にいることが“怖い”と感じていました」
やがて長女を出産。産後1カ月は実家で過ごし、その後自宅に戻ると、再びケンカばかりの毎日が続く。
きっかけはいつも、久保さんが子どもの夜泣きや朝の支度などで焦っているときに、われ関せずを決め込んでいる夫に腹が立ち、「親の自覚があるの?」「いる意味がない!」などと声を荒げてしまうことだった。
「私はケンカになると、泣いたり自分自身をたたいたりしてしまうので、子どもたちにそれを見せたくない夫はより強く私を責め、『落ち着くまで1人でいろ!』と言われますが、私はその間に子どもたちを夫に取られてしまう気がして、その場を離れられません」
パートに復職した後は、久保さんが仕事と家事・育児の両立の大変さを夫に訴えると、「好きで復帰したのにこっちを責めるな!」と言われた。
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