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性について話すことがとてつもなく恥ずかしかった頃の自分はもう、いない。

私は数年前まで、性にまつわる話をするのが、とにかく恥ずかしくてたまらなかった。

仲のいい友人とも、オープンに話すことはほとんどなかったし、“そういう話”をすることに対してかなりの抵抗があった。元々、“そういう話”を一切しない両親に育てられたこともあり、両親に自分の恋愛話をすることさえ、恥ずかしくてできなかった。
また、性被害も数は少ないながらも受けてきており、性に対するネガティブなイメージや、性の話はしてはいけないもの、という認識をずっと持っていたのだと思う。

それがそもそも間違った認識であることに気づけたのは、本当にここ数年の話。
私たちが生きていくためにとても大切なことなんだな、と感じるようになったきっかけはおそらく、女性の生きづらさを発信する人の声を耳にしたり、性暴力に関する法改正についての話題や女性たちの訴えを目にすることが増えたりしたことだと思う。

性暴力をなくすためには、何よりも性教育の充実、底上げが不可欠であること。

そして、その性教育の大切さを改めて感じた一冊が、フクチマミさんの『おうち性教育はじめます』

この本に出てくる村瀬先生だけでなく、性教育に携わる人は声を揃えて「性教育は人権教育」だと教えてくれる。

自分の身体は、自分だけのもの。
自分の身体を大切にして初めて、他人の身体も大切にできる。
そのために、嫌なことは嫌と、声を上げていいということ。
性教育は、自分や相手を大切にするためになくてはならないものであるということ。

いつも保育の話に繋げてしまうけれど、保育と一緒だ、と思った。

そして子どもだけでなく、大人だって同じ。
むしろ私たち大人の方が、きちんとした性教育を受けずに大人になってしまっている。
性教育・人権教育は、子どもも大人も、男性も女性も、老若男女問わずすべての人にとって大切なものだと思った。

この『おうち性教育はじめます』には、親として子どもにどう伝えていくべきか、といった保護者向けの内容で書かれてはいるものの、性の大切さ、生きる上で大切なことを教えてくれる、性に対するイメージをガラッと変えてくれた本。親であってもそうでなくても、結婚していてもいなくても、どんな人にも読んでほしい一冊。

そして改めて、もっと早く読みたかったなあ、なんて思う。
自分も今までにたくさん、性にまつわる悩みを抱えてきたけれど、誰にも相談できなかったし、誰も教えてくれなかった。
そんな中、友達やネットからの情報を頼りに綱渡りし、場合によっては間違った情報を信じてしまう、そんな危ない道は子どもたちに歩んでほしくないなと思う。
たくさん勉強して、いい形で子どもたちに伝えていけたら。

性の話はネガティブなんかじゃない。
もっとオープンにしていい、いや、していかないといけないな、と思う。
性の話をオープンに発信している人が今どんどん増えているし、学習指導要領の『性教育の手引き』も約15年ぶりに改訂されて、いい方向に向かっていると信じたい。

今回は表面的なことしか書いていないので、いずれは具体的なことにも触れた記事を書きたいなーと思っています。

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