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バーニングマン記録① アメリカに行こう砂漠に行こう

なんとも窮屈な生活が続く今、たびたび思い出してはまた行きたくてたまらない場所がある。

Black Rock City ブラックロックシティ

毎年夏、アメリカ、ネバダ州の砂漠に1週間だけ現れる街のことだ。何もない砂漠に何万人もの人が集い、それぞれが持ち込んだものによって都市ができる。そんなとんでもないスケールのお祭り。

Burning Man  バーニングマン

訪れたのはもう2年前の2018年夏。
書こう書こうと思いつつずるずる伸ばしてしまったが、あのドキドキするような非日常体験は、「砂漠でたい焼き屋をやるんだ」という我々が打ち立てた謎のプロジェクトは、やはり記録しておかないともったいないと思い、ようやく筆をとってみた。

日本人"バーナー"も中にはいて、出発前に少し話を聞いたりはしたが、実際現地ではなかなか遭遇しないくらいには少ない。
バーニングマンに行きたい日本人がどれくらいいるかは分からないけれど、もしかしたら誰かの参考になるかもしれないし、ツラツラと思い出せる限りのことを何回かに分けて書いてみようと思う。

ちなみにバーニングマンのチケットは、3〜4月の予約期に取っておかなきゃいけないらしくて、たまたま人から譲ってもらったので私は予約戦争には参加せず。(先着販売でチケット取るのはけっこう大変らしい。お値段は$400超えくらいだった記憶…)

バーニングマンって

日本語の記事ではよく「クレイジー」とか「ハチャメチャ」だとか「奇祭」とか「フェス」という言葉で形容されているし、露出度が高い人も多くて派手で雑多でカオスな印象が強いバーニングマン。

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まあたしかにこんな感じなので、そうなんだけど、実際に行ってみた感覚で言うと、なんだかもっと丁寧に人と人との繋がりがあって、一瞬でもしばらくの時間でも、誰かとでも1人でも「時」を心から楽しむ。そして自分の足で「生きる」。そんな感覚。

アートで自由を謳歌してる人たちが、色んなことをやりながら、イベントの期間そこで「暮らしている」。それぞれがマイペースに楽しもうという空気感で、砂漠の空気と同様、カラッとドライな後味のいいやり取り

そして何より「giveの精神」。物としても些細な気遣いでも、いったいどれだけのものをもらったのか分からないくらいたくさんのギフトで溢れていた。バーニングマン流の「粋」な世界がある。

この感覚こそが、また行きたいと思わせる魅力なのかもしれない。

バーニングマンの10の原則

そんな魅力も実はそもそも、バーニングマンの10 principles に紐づいていて、皆んながそれを大切にしているからこそ成り立っている。色んな記事にも出てるけど、改めてざっくり意訳してみた。

実際のサバイバルガイドはこちら↓

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Radical Inclusion 
誰もがバーニングマンの一員で、お互いを歓迎、リスペクトし、参加に必要な条件など何もない。
Gifting
バーニングマンは見返りや等価交換を求めない無条件のgift-givingの行動で成り立っている。
Decommodification
giftingの精神を守るために商業的なものを介入させない環境を作る。
Radical Self-reliance
それぞれが内に秘めた自分自身の力を見出し、自分自身の力で行動すること。
Radical Self-expression
自己表現はそれぞれ独自の才能から生み出されるもので、誰もそれを邪魔することはできないし、それは他の人へのギフトでもあり、逆に与える側は受け取る側を尊重することも大事。
Communal Effort
クリエイティブな協力や共同作業を大切にしていて、それに関わるあらゆる要素を生み出す、促進する、守ることに努める。
Civic Responsibility
メンバーは、市民としての責任を持ち、お互いに伝えることも大事で、さらに地域、州、連邦の法律に従って責任を持たなければならない。
Leaving No Trace
環境への配慮を重じて、どこに集まろうとも跡を残さず、去るときはすべて綺麗に片付け、来たときより良い状態にする。
Participation
個人でも社会でも、深く本当にそれぞれが参加してこそ変化が生まれ、オープンマインドな行動によって誰もが参加できる世界を作り上げる。
Immediacy
直接的な体験こそがバーニングマンの文化では何より大切で、自分たち、自身の内面、取り巻く現実、社会、そして人の力では及ばない自然との間に立ちはだかるあらゆる障壁を懸命に超えていく体験こそが、かけがえのないものとなる。

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といったところで、なんだかもはや人生の核ともなり得るようなこの世界観に飛び込むため、アメリカへ出発する前から、共に旅するチームメンバー8人で奮闘することとなる。

元々クリエイティブな仕事をしているメンバーだったけれど、バーニングマンではもっと広義の意味で間違いなく全員「クリエイター」だった。

次回は、そんな我々クリエイターたちの日本での奮闘記からスタート。


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