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顧客体験の視点でサービスを再定義

今年度はデイサービスの経営改善に関わるご相談が多く、現にコンサルティング案件にも携わらせていただいています。

「デイサービスの経営改善=利用率を上げる(登録者数を増やす)」なんですが、コロナの感染リスクを懸念される利用者(ご家族)、短時間の"リハビリ特化型"や"入浴特化型"など競合も多く、従来の"長時間レスパイト型"の事業所の特色では、勝ち組になれない状況に直面しています。

利用率を上げるためにも、アクティビティやイベント内容の見直し、情報発信の内容や仕方、それを実行していく組織の状態(特に非正規職員が多いケースが多い中で一体感をどう醸成するかなど)により、なかなか成果を上げずらかったり、職員の行動変容を促せる状態に至るまでいっぺん通りにいかない難しさをはらんでいます。

「事業所の強みは何ですか?」に即答できるか

見出しのように利用者やご家族から質問されたら、頭にすぐ思い浮かぶぐらい、特徴的なサービスを提供できているでしょうか。

例えば、「なないろクッキングスタジオ」というデイサービスでは、"料理特化型"の強み(特徴)があり、料理療法により脳の活性化や認知機能低下予防に効果があるそうです。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で家事や料理をすることに通じる機能訓練の要素や認知症予防の効果があるといえます。

介護保険事業そのものが"サービス業"に位置付けられている以上、利用者(家族)から選ばれるサービス提供をしなければ、選ばれる事業所にはなりません。
裏を返せば、今の世の中の通所介護なら通所介護に求められる利用者ニーズにマッチしたサービス内容や情報発信(内容、手法)をしなければ、事業所の強み(特徴)すら利用者(家族)に届ける(伝える)ことが困難な状況であるのです(例えば、居宅介護支援事業所のケアマネジャーにFAXを送る営業手法から、タブレットで担当利用者の利用中の様子や機能訓練の様子を動画で伝える営業手法の方が視覚的にも効果が高い)。

「顧客体験」としての"トキ消費"を考える

デイサービスを利用する方々はデイサービスに何を求めているのでしょうか。
入浴を希望している、機能訓練を行いたい、他利用者との交流、フレイル予防で多様なアクティビティに興味があるなど、目的を持って利用している方から、ケアマネジャーや家族に説得され(いやいやかもしれませんが)、デイサービスを利用している利用者もいるかもしれません。
バックグラウンドは様々ですが、現に皆さんの事業所に通ってきて、6時間や7時間といった短時間ではない時間(トキ)を過ごしています。

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東京都福祉サービス第三者評価の評価者として、他事業所の事例などのさまざまなノウハウを凝縮しております。一部無料で読めるようにしました。

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