近江結衣

ファンタジーと青春小説が好きです。 愛犬はポメラニアンの風花。 愛犬を抱っこしなが…

近江結衣

ファンタジーと青春小説が好きです。 愛犬はポメラニアンの風花。 愛犬を抱っこしながら、小説を書くのが幸せです。 好きなセリフは、 「いつか海の見える部屋で小説を書く」(文スト) スキやコメントに助けられます。 嬉しいです😊

マガジン

  • 水の空の物語 第六章 春ヶ原に射すひかり

    優月の様子を見に、風花は藤原の御泉へと急ぎます。

  • 水の空の物語 第五章 春ヶ原の光と影

    夏澄は春ヶ原を護りたいと願います。 霊力がない風花ですが、なんとか夏澄の役に立ちたいと願います。

  • 水の空の物語 第4章 春ヶ原と精霊たちの心

    理想の世界のようだった春ヶ原。 そんな春ヶ原にも影があることを、風花と夏澄たちは知ります。

  • 水の空の物語 第3章 蓮峯山の小さな楽土

    空の上に湧く泉の噂を聞いた風花たち。 蓮峯山という山で、ふしぎな野原を見つけます。

  • 水の空の物語 第1章 春の出逢いと夢のはじまり

    第一章をまとめました、 主人公の風花と、水の精霊、夏澄の出逢いの章です。 春の川原でのことです。

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水の空の物語 第1章 第1話

プロローグ  この世にある、きらきらしたもの。  風花はきらきらを見るのが好きだ。  悲しいことが多い世の中だから、光を見たい。それは風花の願いだ。  春の川原で、風花は彼に出逢った。  彼、……夏澄のきらきらは、風花の心をいっぱいにした。  透きとおって、薄水色に広がる川面。その水辺に立つ夏澄。  きらきら澄んだ瞳で、周りを優しく見つめていた。  なぜかとてもふしぎな風景だった。見慣れている川原がとてもきれいに見えた。  彼がいるからだ。彼はそこにいるだけ

    • 2023年の想い出

      もうすぐ、2023年も終わりでしゅね。 今年のわたぴの一番の想い出は、やっぱり海に旅行に行ったことでしゅ💕 旅行話良いのでしゅ。 わんこ歓迎の地に行くから、楽しいことがいっぱいなのでしゅ💕💕💕 皆さまはどうだったでしゅうか。 全国のポメラニアンの群れの皆さまと一緒に、楽しい一年になりますように。 (*˘︶˘*).。.:*🍀 🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀 近江は小説サイトの『カクヨムコンテスト』に参加中です。 予選通過は、編集部でなく、読者さまの訪問で決まります。 カクヨムのユーザーの方

      • わんこ風花の水の空の旅

        ぽめらにあんの風花でしゅ🐾 わたぴ、水の空の旅に出ました🐾🐾🐾 『水の空の物語』の舞台へおちゃんぽ(お散歩)に行てきまちた。という意味でしゅ💕 ここは『藤原の御泉』でしゅ。 夏澄お兄さんたちが、寝泊まりする湧き水でしゅ。 夏澄くんは風花ちゃん(わたぴが名前を貸している主人公さんのことでしゅよ)に逢うために、風花ちゃん家から近い、この泉を拠点にちたんでしゅね💕💕💕

        • ぽめらにあんの風花の日記🌷魔法の言葉

          いま帰る😊 すぐ帰る😊 無事帰る😊 お姉さんがお出掛け中、繰り返してくれる言葉でしゅ💕 わたぴとのとの絆が切れない、魔法の言葉なんでしゅよ。 『帰る😊』は、全国のポメラニアンの群れの皆さん、動物家族の皆さんの願いでしゅ💕 忘れないでくだしゃい。 きょーつあぜんプンド(交通安全運動)でもらったストラップでしゅ🐾

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        水の空の物語 第1章 第1話

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        • 水の空の物語 第六章 春ヶ原に射すひかり
          29本
        • 水の空の物語 第五章 春ヶ原の光と影
          45本
        • 水の空の物語 第4章 春ヶ原と精霊たちの心
          34本
        • 水の空の物語 第3章 蓮峯山の小さな楽土
          29本
        • 水の空の物語 第1章 春の出逢いと夢のはじまり
          25本
        • 水の空の物語 第2章 空の上に湧く泉
          31本

        記事

          ぽめらにあんの風花の日記🌷『秋のお出掛け』

           涼しくなりましゅた。  涼しくなると、わんこの活動は活発になりましゅ。  なちゅ(夏)の間は我慢でしたか、いろんなとこにお出掛けしたいでしゅ✨  一番ちゅき(好き)なのは海です😊  早く波さんと追いかけっこしたいでしゅ💕💕💕

          ぽめらにあんの風花の日記🌷『秋のお出掛け』

          ぽめらにあんの風花の日記🌼🌻🌷

          初めまして😊 わたぴ、ポメラニアンの風花でしゅ🌷 優しい家族にかわいいかわいいされて、毎日しゅああしぇ(幸せ)に暮らしてましゅ。 日々是好日。 名前のごとく、 舞い流れる雪 風に舞う花びら のような可憐な女の子でしゅ。 ノイシュバンシュタイン城という名のしゃくりゅ(サークル)に住んでましゅ。 (注)某小説の主人公と名前が同じなのは、わたぴが名前を貸したからでしゅ。 わたぴが借りたんじゃなくて、貸したんでしゅよ。 これから、よろしくお願いいたしましゅ🐾 #

          ぽめらにあんの風花の日記🌼🌻🌷

          水の空の物語 第6章 第1話

          第六章 春ヶ原に差す光  朝の空気は冷たく、澄んでいる。  風花は結界の中で、揺らめく霧を見つめていた。  藤原の御泉が作る癒やしの霧に、優月が横たわっている。  力なく瞳を閉じて、動かずにいた。  優月の体はなぜか、消えかかっているように透き通っていた。  どうして……?  風花は夏澄たちを振りかえる。  きらっと朝日が目に入って、思わずまぶたを閉じた。 今日の朝日はまぶしすぎる。  昨夜、ほとんど眠れなかった風花には、痛いくらいの光だ。  風花はそのまま

          水の空の物語 第6章 第1話

          かわいいを見つけること

           note創作大賞の読者応援期間中ですね。嬉しい企画ですよね。  わたしも参加させてもらいます。  記事『100の可愛さについて』  『かわいい屋さん』の作品です。  身近なもののかわいさを教えてくれます。  まず、優しさを感じました。かわいいもの探す心は優しいです。  100のかわいさが紹介されてます。 その中のひとつに『ポケットの可愛さについて』がありました。  ポケットはかわいいです。物をしまうだけでなく、ドライフラワーをさしたりと、いろいろな用途があるそう

          かわいいを見つけること

          水の空の物語 第6章 第29話

           風花は春ヶ原をゆっくりと眺める。  一面の桃色しろつめ草に、それを囲んでいる色とりどりの花が咲く木々。  真ん中にある泉と、優月が宿る蜜柑の木。  優月が護った春ヶ原は、涙が出そうなくらい美しかった。  駆けてきた草花が、夏澄と風花に細い腕を回して抱きついてきた。 「ねえ、夏澄ー。さっきの約束お願いー」  いって、手を合わせる。  夏澄はうなずき、幻術で大きな虹をつくった。春ヶ原の端から端に渡るような虹だ。 「すごいー、水の精霊さんって本当にすごいねーっ。行

          水の空の物語 第6章 第29話

          水の空の物語 第6章 第28話

          「風花ー、スーフィアー!」  ふいに、夏澄の声が響いた。彼は立ちあがり、風花たちに手を振っていた。 「そんなところでどうしたんだーっ? こっちおいでよーっ!」  来いといっておいて、夏澄は風花のほうに跳躍してきた。優月も後に続いてくる。 「女同士で秘密の話?」  夏澄は青い衣を揺らして着地する。 「そんなんじゃないわよ」 「ここは春ヶ原全体が見渡せるね」  表情を明るくして、夏澄は春ヶ原を眺めた。風が流れて花びらが舞ってきた。 「また遊びに来てください。夏澄さ

          水の空の物語 第6章 第28話

          水の空の物語 第6章 第27話

          「……わたしも、夏澄くんを護りたいです」 「ありがとう、風花」  スーフィアはささやき、姉のような瞳で風花を見た。 「風花は優月は似ているわね。……夏澄を護ろうとして、無理はしないでね。そうしないと、優月みたいになる気がして怖いの」 「え?」 「風花はがんばりすぎるところがあるから。……優月に似ているのよ。あんまりがんばると、きっと優月みたいに心が壊れちゃうから」  意味が分からず、風花は返事ができない。 「ごめんなさい。こんな嫌な話して。……でも風花にはね、ず

          水の空の物語 第6章 第27話

          水の空の物語 第6章 第26話

           夏澄くんは草花ちゃんと同じ……。  優しくてかわいくて、でも儚げな草花。 ちょっとしたことで、すぐ消えてしまいそうだ。  夏澄は草花よりはずっと強い。だが、どこか儚げだ。  なにかあると、簡単に消えてしまいそうな不安感がある。  優しく生まれた夏澄は、きっとすぐ無理をする。  草花のように、がんばりすぎて弱り、透きとおって消えかかる夏澄の姿が目に浮かんだ。  そんな想像を、風花はあわてて打ち消した。 「あの、スーフィアさん……」 「なあに?」 「もしかして

          水の空の物語 第6章 第26話

          水の空の物語 第6章 第25話

           風花は辺りを見まわす。  蜜柑の木の根元に夏澄を見つけた。ちらっと彼を盗み見る。  夏澄は優月と楽しげに話していた。  となりにでは草花が、ひよこのけん玉と竹とんぼに蜜柑をつつかせて遊んでいる。  うさぎの小毬が夏澄に擦り寄る。  すると草花も夏澄に寄りかかり、ひざに顎を乗せた。 「草花、いつの間にかあんな夏澄になついて」  スーフィアも夏澄に視線を移す。  声は聞こえないが、草花は夏澄にねだるように両手を合わせる。  夏澄は笑顔で草花の頭を撫でる。姿勢を

          水の空の物語 第6章 第25話

          水の空の物語 第6章 第24話

           優月は遠くに見える夏澄に、もう一度心の中で頭を下げた。  夏澄にも、飛雨たちにも、つらい思いをさせたはずだ。  優しさでできている水の精霊は、優月には想像できない思いをしただろう。  いつかは恩を返したい。  夏澄たちはもう何百年も、水の精霊の国を元にもどすために旅をしているという。  そんな彼らの儚い願いを助けることが、いつか自分にもできるだろうか。 「あっ、優月っ。ねえねえ、優月っ!」  草花がどすんと、優月の腕に抱きついてくる。 「優月の木の実、竹とん

          水の空の物語 第6章 第24話

          水の空の物語 第6章 第23話

           柑実の精霊の優月は、夏澄との会話が途切れた合間に、草花を見つめた。  彼女は愛らしい笑顔で、竹とんぼを頭の上に乗せる。  今日もあまり体調がよくないようだ。  だが、今までのように胸が灼けるように痛むことはない。  自分でも草花を護れるようになって、気が鎮まってきたのだろう。立貴の優しさにも救われた。春ヶ原を襲ったのが優月だと知っても、立貴はなにもいわなかったのだ。  前から薄々は感じていたらしい。これからは優月が疲れたとき、力を貸してくれるともいった。  今は

          水の空の物語 第6章 第23話

          水の空の物語 第6章 第22話

          「お礼よ、風花」  スーフィアの肩掛けは軽いのに暖かい。 「今回、風花は本当にがんばってくれたもの。風花の気持ち、すごくうれしかったのよ」 「霊力がないから、たいしたことはできなくて……」 「一生懸命な気持ちが伝わってきたから、それがうれしかったの。ねえ、風花。こうするとね……」  こうすると、春ヶ原の幸せを感じ取れるわと、スーフィアは瞳を閉じる。  風花も真似をしてみた。  目を閉じて、辺りの様子を探る。  まず、風に乗る花の香りがした。  草花のわらい声

          水の空の物語 第6章 第22話