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水の空の物語 第6章 第27話

「……わたしも、夏澄くんを護りたいです」

「ありがとう、風花」

 スーフィアはささやき、姉のような瞳で風花を見た。

「風花は優月は似ているわね。……夏澄を護ろうとして、無理はしないでね。そうしないと、優月みたいになる気がして怖いの」

「え?」

「風花はがんばりすぎるところがあるから。……優月に似ているのよ。あんまりがんばると、きっと優月みたいに心が壊れちゃうから」

 意味が分からず、風花は返事ができない。

「ごめんなさい。こんな嫌な話して。……でも風花にはね、ずっと私たちと一緒に夏澄を護って欲しいの。ねえ……」

 ねえ、風花は私たちにあまり好かれてないって思ってるでしょ? だから、記憶を消されたんだって思ってるでしょ?

 ふいにスーフィアがいい出す。

 風花はごまかすように首を振った。

「勝手に記憶を消しておいて、いっていいことじゃないけど、嫌ったんじゃないの。優しい風花が、私も夏澄も飛雨も、初めて逢ったときから大好きだったの」

 今さらだけど、私や夏澄とお友達になってね。

 スーフィアは微笑んだ。

 友達……。
 風花は黙り込む。

 次々にうれしい言葉をいわれて、ぼんやりしてしまう。

 くらっと目まいがして、深呼吸した。

 友達って、これからも?

 これからも、夏澄くんたちはわたしの友達でいてくれるんだろうか?



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