GBT vol. 23 | NYで話題のファッショントレンドQuiet Luxuryとは?!不況との関係性も
昨今HBO MaxのドラマシリーズSuccession(日本版タイトルは「メディア王 〜華麗なる一族」・・・んー、なんとも言えないw)がファイナルシーズンを迎え、ニューヨークは大いに盛り上がっている。
主人公は、実在するメディア実業家のルパート・マードック(つい最近、92歳で5度目の結婚を試みて話題に)がモデルとなったと言われており、最初に発表された仮のお題は「The Murdochs」だったとか。
そんなドラマSuccessionから出てきたトレンドが、Quiet Luxury。昨年まではロゴがふんだんに使われているアイテムが流行っていたが、一転して、「わかる人にはわかる」けど、ブランドをアピールする装飾が一切ない、「真のお金持ち」が着ているような服装が一気に注目を浴びている。
Quiet Luxuryと景気低迷の関係性
また、興味深いのは、Quiet Luxuryが前に流行ったのが2008年のリーマンショック時だったということ。景気が低迷している際にあまりにも高そうな服を着るのは「空気が読めない」と感じる消費者が多く、こういう時期には控えめなファッショントレンドが台頭していくのだとか。実際にニューヨークも今「White Collar Recession」という名の、銀行員やテック系、アド系で働くホワイトカラー層がどんどんリストラをされる状況に陥っており(筆者もその一人)2008年の不況を思い出さずにいられない。
テレビドラマと一緒に伸びるブランドたち
Successionの影響で、イタリアの高級ファッションブランドLoro Pianaの靴のネット検索数は、ドラマSuccessionの影響で、昨年から72%増。
また、「平民」と見なされる女子がエリート層のパーティーにバーバリーのチェックトートバッグを持っていき、「ロゴが見え見えで品がない」と登場人物に総スカンを受けるシーンがあるのだが、そのシーンの影響で「Burberry handbag」の検索数が180%上昇したというデータも。Quiet Luxuryとは真逆な皮肉で使われたものの、話題になったのはブランドにとって大きかったはず。
HBO Maxは配信サービスという点で、従来の「テレビドラマ」とは性質が少し違うものの、「ドラマ」はトレンドを配信するメディアとして今も健在なのだった。
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