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真谷優の大学留学記

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真谷優のドイツ留学生活を描く。 注意: この物語はフィクションです。登場する人物・名称・団体等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 2023年4月2日第1部連載開始 …
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#毎週日曜日更新

真谷優の大学留学記1「さよなら日本、こんにちはドイツ」

日本から直行便で12時間。ついに西ヨーロッパのドイツ、ミュンヘン空港に着いた。手荷物を持って、機外へ出る。「ついにやってきたドイツ。ここで4年間学ぶのか……楽しみだけど不安だな……」とりあえず入国審査を済ませておこう。空港の案内板通りに進み、入国審査官にゲッティンゲン大学の時間入校証明書と滞在先のアパートの住所を見せる。その後、いくつか質問をされた。 《どこから来たの?》《日本です》《ドイツでは

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真谷優の大学留学記52「夏休みの予定」

2回生も折り返し地点をすぎたが、依然としてこの記録に残すことがない。これはいいことなのだろうか?講義は確かに難しくはなったが、ついていけている。そろそろ夏休みだし、いつも通り日本への航空券取っておくか。響は些細なことでも連絡してくれるから、こちらとしては安心だ。遠距離恋愛中に響を取られたら、僕の怒りの火が相手に落ちることになるだろうし。まあリングつけてるし大丈夫だろう。リングつけてる女性を、ナンパ

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真谷優の大学留学記51「歴史」

今日の講義は歴史についてだった。第二次世界大戦のきっかけとなったポーランド侵攻のきっかけと、その背景について学んだ。高校の授業でもやったけど、大学ではより深く何故そうなったかを学んだ。まぁドイツがポーランド侵攻しなくても、また別のことがきっかけで第二次世界大戦が起きていた可能性もあるかもしれないが。

真谷優の大学留学記47「講義のメンバー」

大学生活二年目になるが、これといって特筆することあまりないんだよな。講義のスタイルも、去年と変わらんし。だいたい同じような、顔ぶれのメンバーだし。強いて言うなら、講義のレベルが上がったことくらいだ。それでもまだ何とかついていけてるから、もっと努力しないと。

真谷優の大学留学記46「五月病」

今日は風が強いせいか、いつもより寒く感じる。
ただでさえこの時期は寒いのに追い討ちをかけるように風が強いのは勘弁して欲しい。忙しさももうちょっとで落ち着きそうだし、またどっかに出かけたりしようかね。 最近、五月病っぽいし何とかメンタル保たないと。

真谷優の大学留学記45「新学期」

新学期が始まってはやひと月が経つが、今多忙を極めている。多忙過ぎて趣味にも打ち込めていない。けどあと数週間で多忙な期間は終わると思う。2年生になったんだし、より気を引き締めないとな。とは言ったものの、目標を定めていなかったな。去年は成績ちょっとボロボロだったから、今年は安定して取れるようになりたいな。

真谷優の大学留学記44

最近なんだかやる気が出にくい。かといって大学を休むわけにもいかないので、何とか自分を奮い立たせてキャンパスへ向かう。 大学ではトラブルを避けたいから交友関係はかなり絞ってるけど、それがあだとなったのか、課題が思うように進まないときが多い。それでもまだ何とかなっているからいいけど。これからもっと授業とか難しくなっていくから頼れる人を持っておかないとな。

真谷優の大学留学記43「昼食」

新学年が始まってはや1週間がたった。昼時のキャンパスは履修登録をどうするかや、サークルなどの話題で賑わっている。特に親しい友人もいない僕は、1人学食でDiscordで響とやり取りしながら、昼ごはんを食べていた。

日本は多分朝だと思うから時差を利用してやり取りするようにしている。寝起きの響が見られるから、こちらとしては数少ない癒しになる。こんなに可愛い響と付き合っていることは本当に奇跡

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真谷優の大学留学記42「新学年」

4月になって学年が上がり、ついに2年生となった。講義も今までよりも難しくなるだろうから頑張らないとな。とりあえず響に連絡でもしておくか。近況報告も兼ねて。響の番号を押して電話をかけた。「久しぶり響。 調子はどう?」「優久しぶり。 私は変わりないよ」「それなら良かった。 響は今何かやってるの?」「私は最近アルバイトを始めたよ」「なんのアルバイト?」「コールセンターのバイトだよ」響と話しているとあっと

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真谷優の大学留学記21「講義」

新学期になってから授業がぐんと難しくなった気がする。授業は当たり前だが全てドイツ語なので、ノートを取りながら話を聞くことで精一杯だ。休学なんてみっともないことはしたくないので必死で頭に入れるしかない。そんなことを考えながら教授の話を聞いていると授業終わりのチャイムが鳴った。午前中最後の授業だったので学食に向かった。まだ混んでいないみたいなのでサッと決めようか。ソーセージとスパゲティと茹でた野菜をチ

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真谷優の大学留学記22「休日」

今日は大学が休みなので、いつものように運動も兼ねて散策をしていた。10分ぐらい歩くと大きめの総合公園に着いた。この公園は1周3kmのマラソンコースもあり、14周すればフルマラソンとほぼ同じ距離になるので運動するにはちょうどいい。と言ってもコースにはアップダウンもあるためかなり体力を使う。体感にして50分くらいで14周を走りきった。何だかどっと疲れたな。走るのが久しぶりだったから体力が落ちたのか?ま

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真谷優の大学留学記23「一人の時間」

留学して半年になるが、特にどこにも属せずにいる。人間関係でトラブルがあったらめんどくさいからね。なので講義が終わったらそそくさと帰ってるわけなのだが、早く帰る分一人の時間が長いのだがPCでゲームをやったりクラシック鑑賞をしたりしている。無論課題を全て済ませてからだ。最近気に入っているクラシックはワーグナーのワルキューレの騎行とマイスタージンガーだ。クラシック鑑賞をしていればあっという間に時間が過ぎ

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真谷優の大学留学記29「時の流れに身を任せて」

1年というのは本当にあっという間だ。ついこの間まで清巌にいたのに、今ではドイツ留学しているのだから。あまり連絡取れてないけど元気にしてるといいな。冬休みに日本に戻ったら響と沢山デートしようそうしよう。思えば清巌に入って、響と付き合うようになってからは時間が早く感じるようになった気がする。トラブルも多少あったけど全て解決してるし。ただ後から、狙ってたのになーとかいう声が多すぎる。もっと早くに言わない

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真谷優の大学留学記30「クリスマスイブに向けて」

1ヶ月とは早いものだ。残すところあと2週間となった。クリスマスイブの2日前に日本に戻ることにした。響とは定期的に連絡をとってるけど、やっぱり実際に会って話す方が何倍もいい。お土産も買い込んでおいたので、あとは荷物をまとめるだけだ。夏休み以来の一時帰国だから心臓が早鐘を打つのが伝わる。夏休みはちょっとした一大事に巻き込まれたけど、両家公認と相成った。響があそこまでやるとは思わなかったよほんとに。さて

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