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#連載小説
真谷優の大学留学記1「さよなら日本、こんにちはドイツ」
日本から直行便で12時間。ついに西ヨーロッパのドイツ、ミュンヘン空港に着いた。手荷物を持って、機外へ出る。「ついにやってきたドイツ。ここで4年間学ぶのか……楽しみだけど不安だな……」とりあえず入国審査を済ませておこう。空港の案内板通りに進み、入国審査官にゲッティンゲン大学の時間入校証明書と滞在先のアパートの住所を見せる。その後、いくつか質問をされた。 《どこから来たの?》《日本です》《ドイツでは
もっとみる真谷優の大学留学記52「夏休みの予定」
2回生も折り返し地点をすぎたが、依然としてこの記録に残すことがない。これはいいことなのだろうか?講義は確かに難しくはなったが、ついていけている。そろそろ夏休みだし、いつも通り日本への航空券取っておくか。響は些細なことでも連絡してくれるから、こちらとしては安心だ。遠距離恋愛中に響を取られたら、僕の怒りの火が相手に落ちることになるだろうし。まあリングつけてるし大丈夫だろう。リングつけてる女性を、ナンパ
もっとみる真谷優の大学留学記51「歴史」
今日の講義は歴史についてだった。第二次世界大戦のきっかけとなったポーランド侵攻のきっかけと、その背景について学んだ。高校の授業でもやったけど、大学ではより深く何故そうなったかを学んだ。まぁドイツがポーランド侵攻しなくても、また別のことがきっかけで第二次世界大戦が起きていた可能性もあるかもしれないが。
真谷優の大学留学記50「猛暑」
ここ最近のドイツは異様に暑い。教室は空調が効いているが、それを遥かに超えるほど暑い。じっとしているだけでも汗が出てくるほどだ。 暑いのも寒いのも嫌な僕はハンド扇風機や扇子で何とか凌いでいるが一時凌ぎでしかない。もう頭からバケツいっぱいの氷水を被りたいほどに暑い。それくらい今のドイツは異様に暑い。 早く猛暑が去って欲しい。
真谷優の大学留学記49
最近は今までの多忙が嘘だったかのように落ち着き、特にやることもなくってしまった。とは言っても必要な講義には出てるので、何とか単位は保っている。今日も無事に講義が終わり、ある程度の課題を熟してから帰路に着いた。留学当初は新鮮に見えた街の景色も、いまやすっかり馴染んでしまった。いつもと変わらない街並みの喧騒を聴きながら歩いていく。
真谷優の大学留学記48「最近の流行」
講義と講義の間の時間にSNSをチェックしていると、何やら教室の隅が騒がしくなっていた。気になったので音のする方に向かってみることにした。音の元は1人のスマホから流れる曲だった。それを囲むようにして何人かが画面を見つめている。でも僕の立っている位置からでは確認しづらいので近くにいたやつに聞いてみることにした。《皆は何を見てるん?》《お前知らないのか?今めちゃくちゃ流行ってる日本のグループだよ》《そう
もっとみる真谷優の大学留学記47「講義のメンバー」
大学生活二年目になるが、これといって特筆することあまりないんだよな。講義のスタイルも、去年と変わらんし。だいたい同じような、顔ぶれのメンバーだし。強いて言うなら、講義のレベルが上がったことくらいだ。それでもまだ何とかついていけてるから、もっと努力しないと。
真谷優の大学留学記46「五月病」
今日は風が強いせいか、いつもより寒く感じる。
ただでさえこの時期は寒いのに追い討ちをかけるように風が強いのは勘弁して欲しい。忙しさももうちょっとで落ち着きそうだし、またどっかに出かけたりしようかね。 最近、五月病っぽいし何とかメンタル保たないと。
真谷優の大学留学記45「新学期」
新学期が始まってはやひと月が経つが、今多忙を極めている。多忙過ぎて趣味にも打ち込めていない。けどあと数週間で多忙な期間は終わると思う。2年生になったんだし、より気を引き締めないとな。とは言ったものの、目標を定めていなかったな。去年は成績ちょっとボロボロだったから、今年は安定して取れるようになりたいな。
真谷優の大学留学記44
最近なんだかやる気が出にくい。かといって大学を休むわけにもいかないので、何とか自分を奮い立たせてキャンパスへ向かう。 大学ではトラブルを避けたいから交友関係はかなり絞ってるけど、それがあだとなったのか、課題が思うように進まないときが多い。それでもまだ何とかなっているからいいけど。これからもっと授業とか難しくなっていくから頼れる人を持っておかないとな。
真谷優の大学留学記43「昼食」
新学年が始まってはや1週間がたった。昼時のキャンパスは履修登録をどうするかや、サークルなどの話題で賑わっている。特に親しい友人もいない僕は、1人学食でDiscordで響とやり取りしながら、昼ごはんを食べていた。
日本は多分朝だと思うから時差を利用してやり取りするようにしている。寝起きの響が見られるから、こちらとしては数少ない癒しになる。こんなに可愛い響と付き合っていることは本当に奇跡
真谷優の大学留学記42「新学年」
4月になって学年が上がり、ついに2年生となった。講義も今までよりも難しくなるだろうから頑張らないとな。とりあえず響に連絡でもしておくか。近況報告も兼ねて。響の番号を押して電話をかけた。「久しぶり響。 調子はどう?」「優久しぶり。 私は変わりないよ」「それなら良かった。 響は今何かやってるの?」「私は最近アルバイトを始めたよ」「なんのアルバイト?」「コールセンターのバイトだよ」響と話しているとあっと
もっとみる真谷優の大学留学記2「ゲッティンゲン」
ミュンヘン空港から出ているゲッティンゲン行きの高速鉄道に乗り、ゲッティンゲンへ向かう。
窓から見える景色はとても綺麗だった。2時間ほどで目的地に着いた。「えーと確かこの辺りにホストファミリーの家があったはず」ドイツでの生活は初めてだから色々教えてもらわないとね。そうして迷っていると声をかけられた。《そこで何をしているんだ?》《あ、えーとこの紙に書いてある住所に行きたいんですがどうしたらいいですか
真谷優の大学留学記3「キャンパスツアー」
ドイツでの大学生活を送るためにシュミットさん一家にホームステイしている。日本のものにも触れてもらおうと思い、持ってきた緑茶などのお土産などを渡した。2日目となる今日は大学の方で新歓イベントがあるのでそれに参加する。大学制度の説明や成績の評価方法の説明会、先輩達によるキャンパスツアーなどがある。楽しみだ。あとドイツでは色恋沙汰は避けたいな。僕には響が居るんだし。まぁ指輪つけてるから大丈夫だと信じたい
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