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真谷優の大学留学記

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真谷優のドイツ留学生活を描く。 注意: この物語はフィクションです。登場する人物・名称・団体等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 2023年4月2日第1部連載開始 …
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#毎週日曜更新

真谷優の大学留学記1「さよなら日本、こんにちはドイツ」

日本から直行便で12時間。ついに西ヨーロッパのドイツ、ミュンヘン空港に着いた。手荷物を持って、機外へ出る。「ついにやってきたドイツ。ここで4年間学ぶのか……楽しみだけど不安だな……」とりあえず入国審査を済ませておこう。空港の案内板通りに進み、入国審査官にゲッティンゲン大学の時間入校証明書と滞在先のアパートの住所を見せる。その後、いくつか質問をされた。 《どこから来たの?》《日本です》《ドイツでは

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真谷優の大学留学記49

最近は今までの多忙が嘘だったかのように落ち着き、特にやることもなくってしまった。とは言っても必要な講義には出てるので、何とか単位は保っている。今日も無事に講義が終わり、ある程度の課題を熟してから帰路に着いた。留学当初は新鮮に見えた街の景色も、いまやすっかり馴染んでしまった。いつもと変わらない街並みの喧騒を聴きながら歩いていく。

真谷優の大学留学記48「最近の流行」

講義と講義の間の時間にSNSをチェックしていると、何やら教室の隅が騒がしくなっていた。気になったので音のする方に向かってみることにした。音の元は1人のスマホから流れる曲だった。それを囲むようにして何人かが画面を見つめている。でも僕の立っている位置からでは確認しづらいので近くにいたやつに聞いてみることにした。《皆は何を見てるん?》《お前知らないのか?今めちゃくちゃ流行ってる日本のグループだよ》《そう

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真谷優の大学留学記21「講義」

新学期になってから授業がぐんと難しくなった気がする。授業は当たり前だが全てドイツ語なので、ノートを取りながら話を聞くことで精一杯だ。休学なんてみっともないことはしたくないので必死で頭に入れるしかない。そんなことを考えながら教授の話を聞いていると授業終わりのチャイムが鳴った。午前中最後の授業だったので学食に向かった。まだ混んでいないみたいなのでサッと決めようか。ソーセージとスパゲティと茹でた野菜をチ

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真谷優の大学留学記22「休日」

今日は大学が休みなので、いつものように運動も兼ねて散策をしていた。10分ぐらい歩くと大きめの総合公園に着いた。この公園は1周3kmのマラソンコースもあり、14周すればフルマラソンとほぼ同じ距離になるので運動するにはちょうどいい。と言ってもコースにはアップダウンもあるためかなり体力を使う。体感にして50分くらいで14周を走りきった。何だかどっと疲れたな。走るのが久しぶりだったから体力が落ちたのか?ま

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真谷優の大学留学記23「一人の時間」

留学して半年になるが、特にどこにも属せずにいる。人間関係でトラブルがあったらめんどくさいからね。なので講義が終わったらそそくさと帰ってるわけなのだが、早く帰る分一人の時間が長いのだがPCでゲームをやったりクラシック鑑賞をしたりしている。無論課題を全て済ませてからだ。最近気に入っているクラシックはワーグナーのワルキューレの騎行とマイスタージンガーだ。クラシック鑑賞をしていればあっという間に時間が過ぎ

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真谷優の大学留学記24「ハロウィン」

今日は大学でハロウィンイベントが開催される。特にこれといった仮装衣装など持ってないので普段の服装のままだ。ドイツでのハロウィンは収穫を祝うお祭りみたいな感じで日本みたいにバカ騒ぎはしない。つくづく思うが日本っていい意味で都合がいいと思う。海外の人が驚くのも無理はない。まぁそんなことは置いといて。今はハロウィンイベントを楽しむとしよう。