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咲くまで花は分からない

熱しやすく冷めやすい、というと聞こえはいいですが、衝動性が強く飽きっぽい性格をしています。
今まで手を出したものの、お金を払っただけで満足して続かなかったことは数知れず。

電子ピアノを買って習い始めたものの練習帳を1冊も覚えきれず、15万円のギターを買った時にはただの1度もケースから出さぬまま数年後に売りに出し、ベースだけは2,3曲は覚えたけれどももはや微塵も記憶にありません。
ペン習字の講座に申し込んでは一度も添削に出さぬまま終わり、スポーツクラブに2度入会してどちらもウェアを買って以降会費だけを払い続け利用せず、この辺りまでくると、「高いお金を払ったんだからさすがの私でも続けるだろう」という自分への信頼が地に落ちてきました。

信じられない。自分がまったく信じられない。

それでも、いくつか続けられて、やって良かった!ということもあります。
まずは家庭菜園、飽きるまで3,4年続けたおかげで、苦手だった植物に触れるようになりました。
10年以上続けたボイストレーニングはいちおう身になっていて、カラオケを歌えば褒められるくらいの歌唱力は保っています。

HTMLからウェブサイトを作ったり、プログラムからサウンドノベルを作ったり、MAD動画を作ってバズったり、同人誌を作って即売会で頒布した経験は未だに役立っているし、なにより、ジェルネイルに触ってから1年ほどで急に自宅サロンを開いたことは今の収入に繋がっており、衝動性もなかなかバカにできないなあ、などと思っています。

そもそも私が作家になったのも、漫画の投稿を繰り返して形にならなかったところでふと思いついてほんの1回、ほぼ生まれて初めて小説を書いてみたという、それがノベル大賞の佳作という賞をいただいてデビュー作品になったわけですから、「ちょっとやってみるか」が一体何に繋がるか本当に分かりません。

そうなのです。とりあえず始めるまで、やってみるまで、自分に何が向いているかは分からない。
やりたい!と思っても、実際の作業が自分には向いていなかった、ということはザラにありますし、やるまで分からないことの方がほとんどです。
逆に、できるはずがないと思っていたことが意外と簡単にできたりもするのです。
できるかできないかを始める前に見極めることは非常に難しいし、きっと難しそうだからやめておこうとか、始めても辞めるなら意味がないとか言っていたら、何もできるようにならない、と私は思うわけなのです。

なので、みなさまには、軽率に何かを始めて、面倒だったらさっさと辞めて次の何かをまた始める、くらいの飽きっぽさを持っていただきたい。
いや自ら持たずとも認めて頂きたい。

そして、お子様や身の回りの方が何かを始めてすぐに辞めても呆れず、怒らずにいて欲しい。なぜならその繰り返しの果てに、本当にやりたいこと、向いていることが見付かるのだから!
何がお金に、手に職になるかはやってみるまでは分からないのですもの!

と、大それた啓蒙をしてみましたが、でもまあ、大金をはたいて買った楽器を触らずに売ったことは反省しています……。



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