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スイミングプールでシニアのバタフライに励まされる

どうも。水泳を始めようとカッコええ水着を買ったけど、毎回息を止めないと着脱できません。カッコええゴーグルも、孫悟空の頭の輪っか並みに締め付けられ、結局のところカッコ良くはなれないみよしひろみ@55歳です。な〜む〜。

以前通ってたヨガ教室から、近所のジムに移籍しまして。今どきの洒落た感じのジムではないのですが、トレーナーの方々も面倒見がよく、アットホームな雰囲気。プログラムが多いのと、湯加減最高のお風呂があるところが気に入っています。
「この町の人生100年時代はこのジムに支えられている」というくらい、地域のシニアが大勢通っています。

ありがたいことにプールもあるので、昨年末から水泳を始めました。水泳は得意ではないのですが、この歳になると「浮力」と「水圧」が最高のトレーニングパートナー。
運動せねばと、張り切ってランニングなんぞ始めようものなら、すぐに膝が痛くなります。運動のし始めや、ウエイトオーバーなとき、どこかに痛みがあるときなどは、水中で体を動かすのが本当にいい。

プールに行くと常連の先輩方がめっちゃ声を掛けてくれます。平日の午前中は、60代から80代くらいのメンバーが主で、毎度私に「若い若い」と言ってくれます。私史上、こんなに若いと言われたことは記憶にありません。悪い気はしない大先輩からの呪文のシャワーを浴び、「私、まだ若いねや」と、その気になって入水します。

私はいつも、水中ウォーキングや簡単なドリルでウォーミンアップをし、その後ゆっくりと泳ぎます。全部で1キロくらい。

ボコボココ。ポコッ。天井窓からの光を受けて耀う水中に聞こえるは、吐いたアブクが立ち上っていく音だけ。何にもとらわれない時間に心も解放されます。

万年肩こり背中こりの私には、背泳ぎが最高の体ほぐしです。何万、何十万molもの水の分子にワッショイワッショイと胴上げされながら、どうも、どうも、と腕を大きく振り挙げる。おかげで、凝りは本当に楽になりました。

隣のレーンではレッスンが行われています。曜日によってプログラムはいろいろですが、驚くのが「バタフライ入門」。これからバタフライを泳げるようになりたいという大先輩方が列をなして教えを乞い、ひたむきに練習しているのです。

60代、70代から始めるバタフライ……。
γ-GTP高めの私の肝をぶっ潰す光景。

私は大学の授業でやった溺れかけのバタフライを、仲間から大笑いされたことを思い出していました。私はあの日から、バタフライをしようと思ったことも、できるようになると思ったこともない。カッコ悪いところを見せたくないし、絶対私には無理だと思ってきた。それが……。

目の前の大先輩方の、怖いもんなしの溺れかけバタフライ。その姿に「つ、強ぇ〜!」と感嘆するとともに、「カッコつけとる場合か。なんでもやってみろや」と、ケツを叩かれた気分になり、なんかこっちまで「うぉー!」って燃えてきました。

「ええですね」
しみじみそう思って、おばちゃんの一人に声をかけたら
「みよっさんも入る?」
……い、いや、だからと言って、バタフライがしたい、わけじゃ、ないんだが。

しかし、心に灯されたこの「うぉー!」を、何かの形で還元できたなら……
大先輩のバタフライ→その姿を見て「うぉー!」な私→そのやる気で誰かに還元→そのまた誰かが「うぉー!」→そしていつか世界は……
これぞ、まさに、Wバタフライエフェクト。ちがうかー。

自分の10年、20年先の年齢を生きる人たちが、こんなにも元気に、笑って、チャレンジしている。その背中が、そこに向かう者に安心と希望を与えてくれる。
私もそれに続きたいと思った。後に続く者にほんのりとでも希望の火を灯せるように。

バタフライ以外の手段で。



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