【絵本】「だがし屋のおっちゃんは おばちゃんなのか?」(多屋光孫/汐文社)【感想】
小さい頃に歯医者さんで各色取り揃えられた中から「好きな歯ブラシ選んでね。どの色が良い?」って言われたので「赤が良い!」と答えたら、「それは女の子の色だからねぇ」って困ったような顔で言われた。
渋々、、、でもないんだけど、「ん~、そっか」とか言いながら濃い目の青を選んだ。数か月後の歯ブラシ交換時期にも同じ色を選んだ記憶がある。
ただ、ジェンダー的に傷付いたとかは全然なくて、「歯医者さんの人を困らせちゃうから赤は選んじゃいけないんだなぁ。やっぱここは男子の色だよね!」って感じで、ただのおバカな男子でした。
元々赤色好きの母親。女の子が欲しかったけど男子のワタクシが生まれちゃったもんだから、それでもやっぱり見た目だけでも!って感じで小さい頃はずいぶんと赤を着させられました。
好きも嫌いもなく自分の色といえば赤。
今はあんまり赤系は着ないけど、スナップで色を狙う中ではやっぱり赤が好き。黄色と青のアルソックではなくセコムを狙うのはそのせいか??
あ、そうそう、何故こんなことを思い出したかというと、鬼才で奇才のイラストレーターで絵本作家の多屋光孫さんの新作「だがし屋のおっちゃんは おばちゃんなのか?」(汐文社)、ジェンダー問題の入口となる絵本を読んだから。
主人公の子供たちが見た目からおっちゃんと思っていた駄菓子屋のご主人が「ハルコ」と呼ばれているのを見かけてしまい、、、
あの日、歯ブラシを選んでいた僕も、、、
確固たるナニカに突き動かされて、「やっぱり赤が好き!」を主張していたらどうなっていただろう?
「ああ、男子は赤を好きになってはいけないんだ……」と傷付いて内へ内へ感情を向けていたらどうなっていたのだろう??
もしかすると、赤い歯ブラシが何かしらのトリガーになって、写真家のおばちゃんになっていたかも知れない。
自分ってナンダロウ?
普通ってナンダロウ??
人間って、男子・女子ってナンダロウ???
生きるって、ナンナンダロウ????
絵だけ観ていても面白いんだけど、色々と考える入口になる多屋光孫さんの新作「だがし屋のおっちゃんは おばちゃんなのか?」(汐文社)、是非ぜひ!
そんな多屋さんとは昔々の大昔、外苑前・北青山のGallery DAZZLEにてイラストレーションと写真で二人展を行なわせて貰った。
まだまだ全然「写真」になっていない写真専門学校の頃だったので、またいつの日か、多少は「写真」に近付いたであろう作品をぶつけたいと思っているが、まだ特に本人には言っていない笑
まぁ、きっと、いつの間にか自身で選択し、水が流れるように進んで行くのだと思う。だから、展示をやらないとしても、それはそれとして。
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