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定年退職後に個人事業主やってるおじさんの居場所(仕事編)

中小企業の経営支援活動をやっている61歳おじさんです。個人事業主です。元々は、新卒で入社した会社に38年間勤務し、60歳になった2020年3月に定年退職した者です。
雇用延長せず、退職翌日から個人事業主という立場で今の仕事を始め、間もなく2年になります。

考えてみますと、幼稚園に入園した時から”所属”というのがありました。
「+++学校の~です。」
「株式会社***の~と申します。」

所属先には自分の居場所がありました。

ちなみに居場所とは、辞書には以下のようにありました。

①人などがいるところ。いどころ。
②その人が心を休めたり、活躍したりできる環境。
(出典:小学館デジタル大辞泉)

物理的な場所と、世間・社会のつながりの中での自分の存在/立場/活躍の場みたいなものと、2つの意味があるというのはわかります。

会社員最終日(=退職日の2020年3月31日)まで会社に行ってました。そこには自分の机もあり、同僚も居ました。そして仕事もありました。(退職直前は引継ぎ関連がメインでしたが。しかも有給休暇をたくさん取りながら)

ところが翌日から、この居場所が無くなりました。
所属先が無くなった途端に、セットで付いてきた居場所も無くなりました。

そこに行けば、自分用の机があり、先生、クラスメイト、同僚や仕事関係者が居て、やることがあるという、幼稚園入園以来57年間 当たり前のようにあった状況が、一日で変わりました。

今回のブログでは、

定年退職後に個人事業主やってるおじさんの居場所(仕事編) 

と題し、会社という所属先を離れた後の自分の仕事の”居場所”について記してみたいと思います。

会社員であれば、傍から見て、その人の”居場所”は想像つきやすいと思います。
「あー、あの会社にお勤めの方ですね」として、現場(オフィス・工場・店舗等)に通っていて、それなりの業務をやっているのだろうと想像してもらえます。
物理的な居場所(行くところ)があって、会社組織の中で何かしら役割を担っているのだろう、そしてそこにその人の居場所があるのだろうと。

でも「個人事業主です。」と言うと、何処で、何やってるのかという質問を、ちょっと訝しげに尋ねてくる方もいらっしゃります。
   ”定年退職して個人事業主ですか?” 
   ”何なさっているのですか?” 
(お尋ねされる方の頭の上には????がたくさん飛び交っているようで)

 会社員より分かりにくいのは当然ですが、????の先には、興味・関心を持ち、参考にしてみたいと思っていらっしゃる他に、
   “会社離れて個人で何が出来るのだろうか”
   ”どうせ、出来っこない”
   ”趣味の世界ならともかく、仕事で居場所なんてある訳がない”
ということを想定して、それを確かめるために質問されてきているのではと思われるふしも稀にあります。

そんなこともあり、今回のブログは自分の名誉のためにも?!文書化し公開しておきたいという思いも少しあるのが正直なところです。

前置きがだいぶ長くなりました。ここからが本題です。

コワーキングスペースという居場所

現在コワーキングスペースに入居してます。
こちらのコワーキングスペースです)

2020年6月に入居し、1年9カ月ほど経ちました。

会社退職の翌日(2020年4月1日)から入居しようと申込んでましたが、折しも世の中はコロナ禍に突入の時で(最初の緊急事態宣言が2020年4月7日~)、コワーキングスペース自体が一時閉鎖となり、予定より2カ月遅れての入居となりました。

ここには自分用の机(コワーキングスペース運営側の備品。使用者が割り当てられている机)があります。

仕事環境(Wi-Fi環境、会議スペース、事務用品類・・・)、住環境(室内、室外)もOK。居心地抜群です!!

物理的な居場所ということでは、とても気に入ってます。
(自宅から少し離れた隣町にあるというのがちょっと難点)

ここの入居者はフリーランスの方、一人社長さんが多いです。IT関連、デザイナー、マーケティング関係、社会貢献活動家、建築家・・・・。 会社員時代にはあまり知り合う機会無いような方々との出会いは楽しく、刺激を受けます。
2020年秋以降は、リモート勤務になった会社員やオンライン授業に移行した大学生も入ってきましたが、コロナが落ち着いてくるとフリーランス、一人社長の比率がまた多くなるという状況です。

60代男性が私の他に2名入居してます。いずれも長きの会社員生活を経て現在個人でお仕事されている方です。退職後に一人で活動という似たような境遇ということもあり、話が合います。穏やかで良い関係にあります。
入居者の仕事ぶり(PCに向かっている姿、電話している姿・・・)は日々お互いに何となく見てます。各人の仕事の深い中身に触れることはありませんが、仕事をやっている姿を見て何となく人柄も判ってきて、互いに認め合うようになっているのかもしれません。会社の同僚とも違い、茶飲み友達、呑み友達とも違い、素敵な関係で、これからも大切にしたいです。

コワーキングスペースには、カフェ☕やイベントスペース、屋外広場も併設されてます。

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写真は施設の夜景です。(左がカフェ。真ん中のピンクの扉の部屋がイベントスペース。右の電気付いている部屋がコワーキングスペース。手前が広場)


カフェのお店番は施設のスタッフの他、多くのボランティアの方々が担ってます。
スタッフ、ボランティアの方々が多彩なのと、カフェは地域で活動されている方々の拠点にもなっていて活気に溢れてます。

時々おじさんの相手もして下さいます。
スタッフの方 ボランティアのお店番の方 (ありがとうbyおじさん)

会社員時代は業務で忙しくても「休日に会社なんて行きたくないよ」ってな気分でしたが、今では、仕事以外でもここに来てしまうことが良くあります。

コワーキングスペース入居は、物理的な居場所の確保だけでなく、人やこの地域社会とのつながりの場にもなってます。

ここでの出会いでは、与えられるばかりでなく、ここへ集う方々に自分ももっと何かを提供出来たらいいなと思ってます。


仕事上の居場所(活躍の環境)


辞書にあった居場所の2番目に「活躍したりできる環境」というのがあります。
今や、オフィスは無くとも、リモートで仕事ができる時代になりました。物理的な場(オフィス等)と、活躍の環境は、昔よりさらに明確に別けて考える必要あるでしょう。(昔は、会社に行っている=仕事している というのがあったかも)

個人事業主として活動していると、会社のようなチームでの取り組みは少ないです。
コワーキングスペースに来て、居心地の良い環境の中で、周りの方々と程よく緩やかな繋がりを持ちながら楽し気にやっていても、仕事では孤独になりがちです。

仕事上のお相手は中小企業の経営者がほとんどです。支援機関(金融機関や商工会議所など)との連携も多いのですが、チームで取り組むということはあまりありません。

会社員を卒業した(雇用延長しなかった)のは、雇われない働き方を目指したということもあります。

会社員やってますと、賛同しかねる方針、うるさい上司、やっかいな同僚、向いている方向が違う関係部署・・・・・等、雇われている限り、それらはほぼ漏れなく付いてきます。(大なり小なり)

雇われない働き方では全部自分で決められるぞ~、と思い個人事業主になりました。
そして望む姿に近づいてきたと思ったら、今度はちょっと孤独という気持ちになり・・・・ 

でも、これって冷静に考えてみますとまだまだ仕事で活躍出来ていないということでした。
辞書にあった「活躍したりできる環境」、まさしくそうです。

会社員であれば、仕事していく上での関係者が居て、業務内容が提示されます。それが居場所にも成り得ますが、個人であれば、仕事で活躍しなければ居場所も何もなく。

私は支援先企業で、様々な取り組みを支援先の経営者とやります。

案件獲得増やしましょう、新規顧客ゲットしましょう、生産性高めましょう等と目標設定します。
活動の結果、「効果が出て来ました」「社長、売上が上がってきましたね」もしくは「別な手を考えてみましょうか」と経営者と喜怒哀楽を共有しながらもっと取組めたら、そこには、辞書にあった「活躍したりできる環境」があるのだと思います。

自分にはそれがまだまだ出来てないので、孤独だと感じることが多いのだろうと思ってます。
仕事相手と共に頑張り、喜んだり、笑ったり、時には悔しい思いをし、励ましたったりし合いながら一緒に活動する。そこに居場所があるののだと思います。(ということでもっとガンバロ!!)

最近少しづつですが、自分の居場所を感じられるようになってきた案件が出てきました。
昨年からベンチャー企業で活動してます。週に数回リモートで打合せします。打合せでは各人に課題が設定されます。各人は次回までに対応し、次回は成果を持ち寄って打合せに臨むという回し方をしてます。

私は個人事業主ですがプロジェクトの一員として参画してます。ここでは上司・部下という関係はありません。上司への忖度とか、自分の人事評価への影響など考えることなく、ひたすらプロジェクトの成功に向け活動してます。そこにはチームでの活動があり、孤独感はあまり無く仕事が出来てます。

こちらのベンチャー企業での活動は私の仕事の一部なのですが、このような取り組みをもっと増やしていきたいと思ってます。そして、そこに居場所があるのだと思ってます。

居場所があると楽しくなる

定年退職後に個人事業主やってるおじさんですが、居場所が出来てくると楽しくなってきます。
「物理的な場所とそこに集まる人々」「活躍できる環境」ともにです。
そしてそこに、やりがいとか、生き甲斐があるのだと思ってます。

定年退職後のおじさん もっと楽しみたい!!

そんな気持ちで日々取り組んでます。

今回は居場所(仕事編)としましたが、家庭での居場所、趣味の活動での居場所などは、また別の機会に記してみたいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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