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#114東京スカイツリー。(東京観光③)

東京観光1日目の締めくくりは、東京スカイツリーに上がることです。その前に、一旦ホテルに荷物を預けようとチェックインしました。

ホテルから移動するとなると電車の乗り継ぎが悪かったので、タクシーに乗ることになりました。東京のタクシーはいつの間にか形が変わっていました。コロリと丸っぽい車体で天井が高いのです。2018年頃から急増しているそうで、窓も広くて外の景色がよく見え、乗り心地も良かったです。

東京スカイツリーは、地上デジタル放送等のために建てられた電波塔で、在京6社のテレビ放送事業者のプロジェクトとして進められました。自立式電波塔としては世界一の高さで、展望デッキは地上350メートル、展望回廊は地上450メートル、高さは634メートルです。600メートル以上の高さがあることで、デジタル放送を安定送信することができるそうです。

スカイツリーの内部には独立した心柱が建ち、地震などでのタワー本体の揺れを打ち消す働きをするようにできています。これは日本の伝統的な木造建築である五重の塔と同じシステムでもあるそうです(五重の塔は、未だかつて地震で倒れたことがないといわれています)。

立地としては、中央線の立川と東中野がほぼ直線になっており、その延長線上にあります。その線はダイヤモンド富士ラインと呼ばれていて、毎年節分(2月3日)と立春(2月4日)には富士山の頂上に日が沈む「ダイヤモンド富士」を、東京側から見ることのできるスポットでもあります。

上記のような詳しい情報は、家に帰ってから調べただけで、相変わらず何も知らないままでスカイツリーを探索するわたしです(笑)。ここからは個人的かつ素朴な感想を記しておきたいと思います。

東京スカイツリー。まずは名前がおしゃれです(空の上の木ってこと?)。チケットを買ったり、入り口に並んだりしていると、まるで宇宙船に乗り込むかのような高揚感が湧いてきます。なんだ、このワクワク感は?まるで東京ディズニーランドのアトラクションを待っているのと同じ空気感じゃないか〜。

展望デッキまでのエレベーターは全部で4機あり、中はそれぞれ春夏秋冬の四季をイメージした内装になっています。観光客の多さが半端ないのと、それがほぼ外国人であることに驚きました。「ここはもしかすると日本ではないかもしれない」と思ってしまうほど、国際色豊かでした。

「みんな、ガヤガヤやってるけど、多分エレベーターに乗り込んだ途端に、シーンとなるよね」といったミドリーの期待を見事に裏切り、外国人の方々は狭い空間の中でもおしゃべりし放題、楽しみ放題といった様子でした。

ところが一歩、展望デッキに足を踏み入れた途端、静かな空間にシフトしました。あれほど多くの人が登ってきているはずなのに…。つまりはそれほど展望デッキが広いということなのですね。

デッキはぐるりと一周することができます。5メートルを超える大型のガラス越しに、約70キロメートル先まで見渡せるのです。どこをみても東京の街がずーっと果てしなく続いています。上から眺める東京の街は、小さな箱をパズルみたいに器用にくっつけた平面みたいに見えました。川は大きくて幅があり、悠々と海に向かっています。その日は曇り空で、富士山や他の山々までは目にすることができませんでした。

その他に何が見えたか?はい、それは人、人、人です。なぜか皆、幸せそうでした。地球の重力からほんのちょっとだけ解放されているせいでしょうか。心の中に溜め込んでいる悩みや苦しみを、此処は忘れられる場所なのかもしれないとすら思いました。

「場所にそんな力があるなんて、何を馬鹿げたことを言ってるの!」と思った貴方、いつかスカイツリーに登って、周りの人の表情を見てごらんなさい(笑)。隣りも、その隣りの人も、どこの国からやってきたのか全くわからない人たちが、一様に穏やかな顔をして街を眺めているのですから。

写真を撮っている人たちも、だまって景色を眺めている人たちも、隅っこにしゃがみこんで携帯をいじっている人たちも、日常から少し離れた場所でやさしい時間を過ごしている、そんな空気がフロア全体にフワ〜っと広がっていました。

わたしたち家族もその中に混じり、展望デッキを歩き回りながら、しばし幸せなボーッと過ごす時間を味わったのでした。





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