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Q.「リーダー」と言えば、あなたは誰をイメージしますか?

タイトルのような問いが投げかけられたら、あなたは誰をイメージしますか?スティーブ・ジョブズ?徳川家康?それとも『ONE PIECE』のルフィー??

続いてもう1つ。

Q.「リーダーシップ」とは何ですか?

こんな問いが投げかけられたら、皆さんはどう答えますか?統率力、率先垂範、創造性…。

普段何気なく使っている言葉ですが、リーダーシップ開発を本業にしている私でも、正直なところ一言で説明するのが難しいです。

一口に「リーダー」「リーダーシップ」といっても、捉え方や在り方は、時代環境、ビジネスシーンによって異なります。

職場ではリーダーシップの発揮を求められますが、実のところ、そこで求められるリーダーシップも様々です。

世の中には様々なタイプのリーダーがいますし、自分がどのようなリーダーを目指すべきかも悩ましいところです。

今回はリーダーシップを考える上での観点を、私なりの持論で語ってみたいと思います。

8名のリーダーから考察する様々なスタイル

冒頭で「リーダー」をイメージしていただきましたが、あなたは誰をイメージしましたか?

考察の題材として、8名のリーダーを挙げてみました。それぞれタイプの異なるリーダーですが、あなたがイメージするリーダーは誰に近いですか?

A:スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)
B:稲盛和夫(京セラ創業者)
C:イチロー(元プロ野球選手)
D:原晋(青山学院大学 陸上競技部監督)
E:大野智(アイドルグループ『嵐』のリーダー)
F:ルフィ(漫画『ONE PIECE』の主人公)
G:アドルフ・ヒトラー(ナチスドイツ党首)
H:アンネ・フランク(『アンネの日記』著者)

同じ経営者でも、スティーブ・ジョブズのような統率型のリーダーをイメージする人もいれば、稲盛和夫さんのような貢献型のリーダーをイメージする人もいると思います。

スポーツでいえば、イチロー選手のような実績のあるプレイヤーにリーダーシップを感じる人もいれば、青山学院の原監督のように、現役時代の成績よりも監督としての手腕にリーダーシップを感じる人もいるでしょう。

嵐の大野くんは、やや頼りないイメージもありますが、彼のような見守り型でないと、あの個性的なメンバーを束ねることができなかったかもしれません。ONE PIECEのルフィのように「弱さ」を見せられることが、周囲から助けてもらえる「強さ」かもしれません。

また、ヒトラーをイメージすると、リーダーは「良い」「悪い」といった形容詞で捉えられるかもしれません。

アンネが書き残した日記を通じて、彼女が後世に残した影響力を鑑みると、リーダーシップを評価するタイミングは「いま」ではなく、「未来に残したもの」で評価されるべきかもしれません。

リーダーシップとマネジメントの違いを考察する

では、”あなたが目指すリーダー像”は誰に近いでしょうか?

目指すリーダーを考える際には、周囲から期待されている役割や、自身が置かれた環境を考察することも必要な観点となります。

私はよく、こんな問いも投げかけます。

Q.「リーダーシップ」と「マネジメント」の違いは何ですか? また、あなたは「リーダー」ですか?「マネジャー」ですか?

これもまた難しい問いです。私も普段、似たような意味でこれらを使っていますが、使い分けるときはこのようなスライドを用いて説明しています。

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つまり、「What」を描き示すのがリーダーシップ。「How」を具体化・実行するのがマネジメント。

実際にプロジェクトメンバーにこの問いを投げかけ、この違いについて対話すると、「自分はマネジメントばかりしていて、リーダーシップは発揮できていない」「役職はマネジャーだけど、期待されているのはリーダーシップ」といった声をよく耳にします。

ただ、どちらが良くてどちらが悪いということはありませんし、どちらが上でどちらが下ということでもありません。

リーダーシップとマネジメントの違いを考察することが、ご自身の置かれた環境や、周囲から期待されている役割を考える際のヒントになれば幸いです。

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10年ほど前と比べると、近年「リーダーシップ」というワードを、新聞などのメディアでもよく目にするようになりました。私が生業としている研修テーマとしても、かつては「マネジャー研修」がよく実施されていましたが、最近はリーダーシップに関するテーマが多いと感じています。

リーダーシップが求められるようになった背景には、「正解の型」がなくなったという時代背景があると思います。

かつて正解とされるものがあった拡大再生産の時代には、知識や経験を持っている人が優秀とされていました。それは、いかに情報量を持っているかが重要だったと言えます。

一方近年は、環境変化が大きく、数年後の見通しを立てることも難しい時代になりました。正解がない時代においては、知識や経験以上にトライ&エラーを繰り返し、学習していくスタンスが重要です。

そういった意味で、決められた型へ導くマネジメントだけでなく、未来を描くリーダーシップが必要になっている、と私は考えています。

身近な「ロールモデル」や「反面教師」からリーダー像を考える

さて、ここまでの観点を踏まえると、”ご自身が目指すリーダー像”は、冒頭で思い浮かべたリーダーとは近しいでしょうか?

実は、偉人や著名人を挙げリーダーシップを語ることは多いのですが、自分が目指すリーダー像を描くときには、これまで身近に接したことのある同僚や知人にこそ、そのヒントがあるのではないかと思っています。

というのも、先ほど例に挙げたような著名人は、リーダーシップをイメージするには分かりやすいものの、自分とは立場や環境があまりにかけ離れた人を理想に掲げてしまうと、そのギャップや乖離に苦しむことになり兼ねないためです。

では、これまであなたが接した同僚や知人の中で、どのような「ロールモデル」「反面教師」がいたでしょうか?

その行動や特徴を考えることこそ、自分が目指したいリーダーシップを考える際の手がかりになるはずです。

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身近なロールモデル反面教師を具体的にイメージしてみると、実は、ジョブスやヒトラーのような「統率型のリーダー」ではなく、あなたの成長を支え見守ってくれた「支援型のリーダー」が浮かんだ方も多いかと思います。

「自分がリーダーシップを発揮するなんて…」と謙遜されている方も、支援型のリーダーシップであれば、きっとイメージが湧くのではないでしょうか。

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