お伊勢参り、宮川堤の「一目千本桜」
季節にそぐわない見出し写真は、今年3月に撮ったもの。
少し前の記事で、今年は怒涛の毎日だったけれど意外に心は凪いでいたと書いた。でもあれ、ちょっぴり嘘だったかもしれない。
年度末の忙しさに少し目処がたった頃、日帰りお伊勢参りに行こうと思い立ち3月末日の休暇と列車のチケットをとっていた。
けれどその少し前、WBC決勝で日本中が大盛りあがりだった日に息子が退学と転校を決めたので、結局当日まで4月付転入に間に合うかの瀬戸際の日々が続いてしまい、頭も心も嵐の真っ只中だった。
それでも朝、雨予報も何とか持ち堪えている中、家を出て新幹線で名古屋へ、そこから在来線で伊勢へ。
初めて訪れた伊勢神宮、その大きさや厳かさ、人が多くいても清潔で整っている様は美しいなあと思えたし印象深かった。外せない観光スポット、おはらい町・おかげ横丁でコロッケや松阪牛握りも食べ歩きしたしにごり柚子酒も呑んだ。赤福もへんば餅もお土産もちゃんと買った。
けれど1番行って見たかったのはここだった。
伊勢市駅前からバスに乗り、数分で宮川にかかる度会橋の東詰に着く。写真に見えているのが度会橋。そこから堤沿い約1キロにわたり桜が植えられている。「一目千本」とも呼ばれるのだそう。その通り、視界が桜でいっぱいになる。
”憲政の神様”尾崎行雄の記念館。こちらには行けなかった。
朝からぐずぐずしてた空模様は宮川堤に着いた午後にはすっかり晴れて青空になっていた。
わざわざ東京から伊勢まで来て、川沿いを何をするわけでもなくただのんびりぼんやり満開の桜を眺めて歩いただけ。でも、ちゃんと春が来てくれてたことがわかって、それで満足した。
伊勢市駅のホームで帰りの列車を待っていたら、息子の転校先に無事受け入れが許可してもらえた旨の電話があった。
昨年からの沢山の嵐が過ぎ去って、青い空がちょっとずつ見えてきたのはこの日からだったのかなと思う。