日本一働きやすい介護施設になりそうなので、壊してやろうと思います。全力で。
昨今、様々な組織論やマネジメント手法が開発されていく中で、やはりそういった最先端の情報は「高付加価値」な業界を中心に出回ってきました。
「介護」などの労働集約型産業においては、肌感覚で10年〜20年あるいはそれ以上に”取り残されている”ように思います。
そんな状況において僕たちのチームは一つの壮大な夢に向かって頑張っています。
【幸せに働ける介護施設】
労働環境について何かと課題が多く見え隠れする介護業界において、僕たちは「幸せに働く」ことを目指しています。
これまでもnoteやYoutube、Twitterを通して、僕たちの取り組みを発信してきました。
その流れの中で、2020年後半、新たな挑戦を始めるにあたって、これまでの経緯や道のりについてまとめたいと思います。
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2年半かけて「普通の介護施設」に成長
僕が今の施設に入社したのは5年前でした。
当時新卒で入った施設は設立からちょうど1年で、やっとこさ利用者数がそれなりに安定し、黒字化ができそうな段階になっていました。
入社にあたって、これまで介護・福祉の分野に取り組んでいない弊社が介護施設を設立したこともあり、”それなりの覚悟”をしていました。
しかし、現実は僕の予想をはるかに超えていました。
コンプラインアンスすれすれの運営体制、運営規定さえもギリギリでの運営でした。
さらに、入社2週間目で参加した地域の専門者交流会で”晒し上げられました”。
「〇〇さん(弊事業所)さあ、ほんとちゃんとやってよ!怒」
「お願いした書類とか全然くれないじゃん!どうなってんの!」
地域包括の職員さんからの声でした。
業界外の方のために説明しておくと、「地域包括支援センター」は我々在宅介護界隈においてはあくまで中立かつ”助けてくれる存在”なのです。
また、僕の事業所のある自治体は区の職員さんが非常に優秀で有名です。
そんな環境にあって、この”厳しいお言葉”は異常とも言える状態でした。
いち事業所が、非公式の交流会で地域包括の職員に晒し上げられる。
一瞬”炎上案件”にも思えますが、冷静に考えれば至極真っ当な成り行きに思えてきます。
そのくらい無茶苦茶だったんです笑
それから、僕は”1人営業部隊”として、地域の事業所(地域包括、居宅事務所など)に挨拶回りという名の「謝罪行脚」を数ヶ月間行いました。
怒られれば、「はい!申し訳ございません!今日中に対応させていただき、今後絶対にこのようなことが起きないことを約束致します!」と無茶な潜り抜け方をし、電話やメッセンジャーで先輩(現在の管理者)に報告し、対応してもらいました。
蛇足ですが、当時の僕の1日の移動距離は凄まじかったと思います。
灼熱の真夏、上京したてにホームセンターで一番安かった自転車に乗り、ほぼ立ち漕ぎで爆走していました。
かなり粗めですが、1日のルートはこんな感じでした。
右下の「1km」を見ると、そこそこの距離を爆走していたのが分かります。
訪問件数でいうと、多い日で80件とかになっていたと思います。
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この頃を思い出すと、僕の中にあるもう一つ大きなトピックは「採用・マネジメント」でした。
この間の2年〜3年はちょうど介護職の有効求人倍率が上昇している時でもありました。
が、しかし、問題はそれだけではありませんでした。
・人が突然やめていく
・常時どこかでギクシャクしている
・仕事に対する当事者意識が低い
今僕が言っている「幸せに働ける介護施設」とは程遠い。というか全く別の道を歩もうとしていました。
何事も一足飛びにはできないので、まず取り組んだのは「ゼロに戻す」ことでした。
・採用改革:現場、現場管理、経営管理の全ての役職で面談を行い、全会一致の場合のみ採用に至る
・定期面談の実施:ミヤケが1ヶ月〜2ヶ月に一度、全ての職員と面談
・業務の効率化:管理者を中心に、各業務を細分化し、「目的」と「効果」をゼロベースで検証、要らない業務を大量に捨てた
これだけではありませんが、この間の2年半は管理者と僕で二人三脚で、ある種トップダウンに現場改善を行いました。
3年かけて「とんでもなく働きやすい介護施設」に成長
2年半をかけ「普通の施設」として一人前になりつつあった僕たちの施設が「ブレイクスルー」したのは3年前。
マガジン内で何度も書いている20代の女性職員を採用したことで、一気に上昇気流に乗りました。
取り組みについては上記のマガジンから読んで頂ければわかるかと思います。
「介護」といううがった見方もされがちな業界にあって、「幸せに働く」ことを最大かつ最優先の目的に掲げ、組織の成長を加速させました。
採算管理とマネジメントを両立させ、
・シフト決めは自由
・有給は申請不要
・不要な会議の廃止
そして、今年の春、施設開設以来初めて「正社員登用」を実施し、僕たちは一つのゴールを迎えました。
新型コロナで混沌としている中でも、「ONE TEAM」で乗り越えることができました。
「居心地のよさ」を時間軸で捉える
先日、何人かの職員と面談を行いました。
それぞれからチームやメンバーはどう見えているのかを聞くことが目的でした。
ー今のチームはどう見えている?
これに対して面談を実施したほぼ全員に共通した返答がありました。
「ずーっと史上最高を更新してますよね」
「よくなって、さらによくなって、って感じですよね、毎月毎月」
嬉しい言葉でした。
皆んなが自分たちの職場を「居心地がいい」と思ってくれています。
「トラブルなんて起こり得ないですよね」
「誰と一緒にシフトに入っても安心できるし、楽しいんですよね」
こんな言葉も聞かれました。
いやあ〜よかった〜
成長できた〜
情けなくも、僕はこの時、安心し、テンションが上がっていました。
あれ?なんか・・?
これ違う。
違う!!
これは、やばいぞ!!!!!
僕はあることに気づいたのと同時に、”次の壁”が見えてきました。
これまでの5年間と直近の6ヶ月で全く違う世界線になっています。
昨年末までの弊チームは、設立から6年間止まらずに改善し続けてきました。
採用・売上・ケアの質など、そのどれもが重要なのにもかかわらず、いつもどれか足りない、あるいはどれも足りない状態でした。
それがこの半年間は、「とにかくいい状態をキープ」できていました。
これまで味わったこのないものを目の前に、僕自身も浮き足立っていたのかもしれません。
僕自身も、
「今が最高の状態」
「ずっとこの状態であればいいなあ」
と思っていました。
リーダーとしてはダメダメだったと今なら思えます。
「居心地がいい」「安定している」はすなわち、現状維持をしている状態です。
コンフォートゾーンで”じっとしている”のと変わりありません。
(もちろん、日頃業務に当たってくれているメンバーへの敬意をはらった上で)
じっとしていると、刻々変化する外部環境に適応できなくなってしまいます。
「居心地のよさ」を維持することが「正しい」と思ってしまうからです。
むしろそれらを乱すものや環境は「悪」と捉えるようにもなってきます。
また、今後のメンバー一人一人の人生にも「変化」があります。
結婚する、出産する、引っ越す、家族が病気になる・・
良いこともそうでないことも、「変化」です。
人生における変化が起こっても、仲間と助け合えるチームでいるためには、さらに「余力」を作る必要があります。
「変化」は正しいが、正しくない
僕はチームに「変化」を起こすことを決めました。
しかし、ここで気をつけなければならないのは、
「変化することが正しい・強い」
と定義づけないことです。
僕のチームにかかわらず、人は「変化に弱い」生き物です。
イケイケベンチャーみたく「変化に対応することが求められる」をチームの全員に求めてしまっては本末転倒、仲間に寄り添えていないことになります。
大きく、
・変化するのが得意、好きな人
・変化するのが苦手、嫌いな人
がいると思います。
今回の「チームの変化」の目的は【仲間全員が幸せに働くこと】です。
「変化が苦手だなんて言ってないで変化しよう!」はナンセンスです。
「正しさ」を作らないよう設計していかなければなりません。
今後どうなるのか、やってみなければわからない部分もありますが、まずは、「変化したい人のお手伝い」をしたいと思います。
「変化したい」中にも、それぞれに濃度・粒度に違いはあります。
・ガッツリ環境を変えたい
・少しずつ変えたいけど、今の環境も大事にしたい
・応援されたり助けられたりすれば変化できそう
そのそれぞれに寄り添いながらやることは「時間」と「根気」が必要です。
しかし、これをやり切ることで、数ヶ月先・数年先の最大風速を大きくすることができるはずです。
「あ、言われてみれば、一年前とは随分環境が違いますよね〜」
メンバーの口からこんな言葉が聞こえるのももうすぐだと楽しみにしてます。
仲間が笑顔で集まれる居場所を目指して。
僕たちのチームはもはや「楽しく、幸せに働ける」職場を作ることが得意です。
息をするように、仲間のことを思い、うわべの安っぽい言葉だけじゃなく時には互いを思いやった厳しい言葉も言えます。
「幸せに働ける介護施設」のプロフェッショナル集団として、次の挑戦は、「広げる」ことです。
皆んなが今の職場を「集合場所」にして、様々な場所で活躍できるよう設計していきます。
一つの場所だけでなく、皆んながそれぞれに「気持ちよくいられる場所」でのびのびと「幸せを広げて欲しい」と思います。
いつの日か、今の施設が代表モデルになり、今いるメンバーだけでなく、多くのプロフェッショナルを輩出できるよう頑張っていきたいと思います。
そして最後に、
このnoteを読んでくださった方の中から、新たな仲間が見つかると嬉しいです!
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<終わり>
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