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森を観て、木を観る (vol 148)

木を見て森を見ず

誰もが知っていることわざだと思います。
英語にも「can't see the wood for the trees」の慣用表現があるそうです。

みんなが知っている注意事項とは言いながら、実際のマネジメントでは森が見えていないことがしばしば起こります

工場の生産性の議論で、設備生産性やトラブルについて議論をしました。過去や直近の問題点が説明されます。出席者もいろいろな意見を出してくれます。
そこが焦点かなと、「ところで、その問題の影響度はどれくらい?」と聞くと全体の1割にも満たない事が判ります。実は本当の問題は当たり前のように起きている別の設備個所の問題でした。大きなところを攻める、という森の話をする前に個別事例の議論という木の話に終始して時間切れになってしまいました。

まず、トラブルの全体という、森の話をして、その中から優先度の高いトラブルという木の話構成内容や根拠の話をしてもらわなければ、大切な資源投入先を誤ってしまいます。

日々の問題に対峙していると、どうしても個別の話、悪く言えば重箱の隅の話に固執してしまうことがあります。
これは、日々の火消しに追われて、ちょっと落ち着いて考えることを失った時、ロジカルシンキングが不足している時に起こりがちの様にも思います。

数多くのビジネス書でも、大局を鳥瞰して、攻めどころを明らかにして、と書いています。
「1分で話せ」の著者 伊藤羊一さんの提唱する「結論+3つの根拠」のピラミッドの構造はロジカルシンキングの基礎として私も賛成です。
まず結論、次に必要な根拠を並べて、ピラミッド型で意図が伝わる、伝える。
同じように、まず結論という森、構成する根拠という木があります。

木を見て森を見ずを避けるためには、まず最初に森を語るのです。

ところが、知っていることと、実際にやっているところに乖離が発生して、後から反省することが発生します。仕方のないことかもしれません。
いろいろなことをリマインドする。事実を見つけた時、思いついた時に、直ぐに注意喚起する。個々人へのフィードバックも大切ですが、組織へのリマインダーも発信しようとツイートしました。

As I mentioned in a previous tweet, we are now required to "explain the conclusion first".
“Conclusion first" means that the first step is to understand the big picture. 
After understanding the big picture, we can examine the necessity and priority of the details.
For each sub-item, we can determine which parts require accuracy and which parts do not.
The first step is to look at the forest, divide it into several areas, look at each tree, and finally, observe the branches and leaves.
Much of what I am asking you to do is along these steps.
After taking a broad look at the whole, we can identify the areas that need to be looked in detail.
This approach is the basis of my management style to be shared.
以前のツイートでも発信した通り、今求められているのは "結論を先に説明すること "です。
"結論が先 "とは、まず大局、全体像を理解することです。
全体像を理解した後は、詳細内容の必要性や優先順位を吟味します。
小項目毎に、精度の必要な部分、不要な部分も判断できます。
まず森を見て、いくつかのエリアに分け、一本一本の木を見て、最後に枝葉を観察します。
私がお願いしている多くは、このステップに沿ったものです。
全体を大まかに見た後、詳細に見る必要がある部分を特定していく。
このアプローチが共有したいマネジメントスタイルの基本です。

拠点長の仕事は指示を出すことではなく、任せたことに対して

「みんな、大丈夫かな~」

と、大局視点を忘れない見張り番をすることでもありそうです。
現在の組織を見守って、大局を意識してもらう。「ここ」や「今」を任せて、
拠点長がしっかり観ていく森はもっと先、森の未来の姿です。

最後まで読んで頂き、嬉しいです。これからも、よろしくお願いします。

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