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情景の浮かぶ報告 (vol 118)

こんにちは。 三宅@人材価値の種蒔き駐在員(Hiro san) です。

もう少し情景が浮かぶような報告をして欲しい

日本本社に対しての改善報告会で指摘されてしまいました😅。

改善活動は数多く実施しています。拠点のマネジャーにとっては自己アピールの機会です。実施内容を全部話したい気持ちは分かりますが、それでは報告時間に収まりません。

かといって細かい部分は抑えて、と要求するとお茶漬けサラサラの結果報告になって苦労談が見えなくなってしまったのです。

海外では「中庸」が難しくて「All or Nothing」に振れてしまいがちです。

日本への報告会では、一つひとつの活動内容全ては報告できません。勢い、

「現場教育の結果、段取り時間が15%短縮しました」

といった表現で終わってしまいます。何がどう良くなったかの情景が浮かばない為、薄っぺらい報告に聞こえてしまったのです。

「全体としては12項目の改善をしました。中でも最も効果的だったのは●●作業です。やりにくい部分の手順をみんなで議論し、一番良い手順として◎◎に決めました。その結果、●●作業は△△分から◆◆分になり、その他の改善も含めて15%時間短縮しました。」

全体と事例の組合せの報告が望ましいのですが、日常の議論でも
「全体の中の『一例』を挙げる」話し方は苦手の様に見えます。
異なる国の拠点での経験から、これは今の拠点に限ったことでなく、どの国の拠点も似たような状況だと感じます。

苦労談を「ズバリ1つだけ」という要求がなかなか伝わらないことが悩みです。

「全体の中の『一例』」の報告が上手くできない理由がもう一つあります。
個々の実施内容と効果の相関関係の分析ができていない場合で、こちらの方が問題です。「何が良くて効果が上がったのか細かい分析」がなくて、「成果が出たからよし」でお茶を濁している可能性があります。
細かい分析があってこそ、将来への応用や他の組織への横展開を可能にする
知識の蓄積が可能になるのです。

報告の上手、下手なのか、分析の問題なのか。拠点内での報告では、駐在員が目を光らせておく必要があります。

成果を上げた内容を「ズバリ」特定する分析の有無をまず確認して、
一段レベルアップした「情景が浮かぶ」報告にしていく。
日常の中でも指導していますが、「情景」をキーワードとして意識してほしい思いから社内ツイートを発信しています。

The train came out of the long tunnel into the snow country.
This is the beginning of the novel "Snow Country" by Kawabata Yasunari, who was expected to be a nominated for the Nobel Prize.
Many Japanese know this sentence.
In this way, we Japanese people like expressions that make the scene come to mind.     It is also required at work.
Since foreign countries are so far away, I want you to explain the activity in a way that comes to my mind.
When we explain  actions in general words, Japanese tends to say that it is too abstract and that sounds superficial and not well considered.
We need to think of the person we report as a "customer" and report in the expected terms
Simple, but the expression that makes the scene come to mind is required.
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
ノーベル賞候補にもなった川端康成の、「雪国」という小説の冒頭です。
日本人の多くがこの文章を知っています。
このように、情景が目に浮かぶような表現が日本人は好きです。
それは、仕事の中でも要求されます。
海外は遠く離れているので、活動が目に浮かぶような形で説明してほしい。
一般的な言葉で説明すると、抽象的、内容がが浅い、といわれるのです。
私たちが報告する相手は「お客様」と考え、期待されている表現で報告をする必要があるのです。
シンプルでも情景が目に浮かぶようような表現が求められるのです。

日本本社はお客様、と見立てて顧客満足を得るのは、なかなか面倒な話です。
それでも、拠点人材成長の種となる側面もあるとして対応しましょう。
将来、日本のメンバーと丁々発止、さまざまな議論ができるようになってもらう種蒔きです。

最後までお付き合い、ありがとうございます。読んで頂き、嬉しいです。

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