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情報開示と経営責任 (vol 062)

海外では、日本人駐在の意思決定が正しい?

グローバル対応、現地化、といった言葉がよく聞かれる中で、
経営の中枢に関わる情報は、日本人駐在だけが把握し、
日本本社とやりとりして、意思決定を下す。
まだまだ多くの企業がこのスタイルかもしれません。

でも、

「これが望ましいやり方かどうか」

と、少し疑問を持っています。

日本の本社は海外拠点の温度を必ずしも分かっていない。
限られた日本人駐在からの情報は、バイアスを与える危険がある。
   それでも、やっぱり、方針、戦略や大きな意思決定をしていく
のだろうか、と。

もちろん、
「まだ拠点側の準備が整っていない、マネジャーが育っていない」
といった問題もあります。

情報開示と現地化の準備は、「鶏が先か、卵が先か」の問題です。

経営情報を開示してマネジャーを育てるのか
マネジャーが育つまで経営情報は開示できないのか

議論が分かれるところでしょう。

経営情報を開示すること、意思決定の場に参画してもらうこと、は、
その機会や情報を悪用しない信頼関係があれば、開示・参画を積極的に
との立場を私はとりたいと考えています。
それは、例えば

コスト情報も知らないで、損益の責任を負えますか?

と言った質問に答えられないと感じるからです。

情報は開示する、意思決定の過程も開示する。その一方で、

情報の意味や意思決定手順を理解しようと努力する。
手順に沿った活動を、日本人駐在任せでなく役割分担とその責任を担う。
これに合意できないような人物であれば、マネジャー失格。

そんなスタンスで海外拠点長として運用したい、と考えています。

この話題は、各企業の方針が異なり、種々の意見があることは百も承知です。
今回は、
タブー領域にも踏み込んで、マネジャーに発信した情報を共有させて下さい。

Participation to decision making will require shouldering duties.

Transparency in Company Operations
My policy is to be as transparent as possible in decision-making regarding company management. It is because I doubt about making decisions with only a limited number of Japanese management without the participation of national staff.
I want to encourage managers carrying will to participate in management by disclosing information on company operations.
At the same time, managers who want to touch disclosed information and are willing to participate in decision-making must be asked to shoulder the necessary roles.
I will strongly request members, as a part of the company management team, to learn the necessary procedures for decision making as a company, and to practice to carry them out on their own.
会社運営の透明性
私の方針として、会社経営に関わる意思決定をできるだけ透明性を持って行おうと考えています。 ナショナルスタッフの参画なしに、限られた一部の日本人だけで意思決定をする事については疑問を持っているからです
意欲のあるManagerの皆さんには会社運営の情報開示を開示し、経営に参画してもらおうとの考えです。
一方で、こうして開示情報に関わり、意思決定に参画する意思を持っている人には、相応の役割分担も引き受けてもらわねばなりません。
会社運営のチームの一員として、会社としての意思決定に必要な手続きを理解し、それを自ら実行する事も身につける事を要求します。

ちょっとシリアス、センシティブな話をお読み頂き、ありがとうございます。
なかなか、こうした話題を議論する機会がなくて、
悶々とすることが多いのも海外駐在ならではの悩みですね。
現地のメンバーを仲間にして前に進むしかありません。

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