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遠い記憶 二十六話

毎日ふるさとを、思わない日は無かった。
しかし、それを、口にする事はしなかった。
口にしたら、何か崩れてしまいそうで。
私達兄妹が、おろおろする側を、知らんぷり、するかの様に
私達の前を無言で、足早に通り過ぎて行く様に思える都会の人達。
ただ、必死だった。
それに、着いて行くのに。
始めは。6年頑張ればいいと、思ってたが、
その、6年の永い事。
先が、見えなくて、気が遠くなりそう。
私は、思った。
6年って、思うのを、辞めよう。
今日一日、頑張って見よう。
駄目だったら、明日死ねばいい。

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