ケトン体を理解する〜身体に害はない?ダイエットにどう活かす?
ケトン体について、多くの人々はなんとなくその作用をご存知だと思います。
糖質制限時、肝臓でケトン体が作られて脂肪をエネルギーに換えていく。
ケトン体を利用することによって、ブドウ糖が唯一のエネルギーと言われていた脳に対して、実はエネルギーに変わることができる。
これらが一般的な理解だと思います。今回はこの理解をさらに深堀りして、ケトン体をダイエットに活かす方法を解説したいと思います。
ケトン体とは?
実はもともとも、ケトン体は身体に害がある存在とされていました。かねてより、糖尿病に近い状態あるいはⅠ型糖尿病患者の方はケトン体濃度が高いという報告がされていました。つまり体内にケトン体が多いと、糖尿病リスクが高まるのではないかと言われていたわけです。
しかし近年、ケトン体そのものに対して悪いイメージはほぼありません。むしろ20〜30代などの方々は、ケトン体=悪いものとされていた時代すら知らず、「ケトン体はダイエットに非常に有効な存在」という認識からスタートしています。
ケトン体はそもそも、エネルギー源のひとつです。ブドウ糖(糖質)が枯渇しているとき、ヒトはたんぱく質・脂質などをエネルギー源として利用します。その中で、脂肪を燃やして作られるものがケトン体です。
ケトン体は、いわば糖質が枯渇しているときのセカンドエネルギーのように活躍するものだととらえてください。肝臓が体内に貯蔵されている脂肪を分解し、ケトン体を生成し脳や臓器のエネルギーとして働きます。
脳はブドウ糖のみをエネルギーできるのが通説でしたが、実際はケトン体を利用することができるというふうに言われています。
一部の研究では、脳がケトン体を有効に活用できるというわけではなく、脳のいち部分ではケトン体を活用できない、糖質よりもエネルギー効率が悪いと報告されています。とはいえ、ケトン体をエネルギーとして活用することで日常に支障をきたすことはほとんどないとも言われています。
糖質を仮に一切摂取せず、仮に脂肪(ケトン体)をエネルギーとしてのみ活用していなかったとしても、本当に糖質が必要だという形になった際には、糖新生によって筋肉などを分解してエネルギーを生み出すメカニズムがヒトにはあります。そのため、糖質を制限した食事でただちにエネルギー不足になったりすることはないでしょう。
血中ケトン体の増加と糖尿病の関係
一般的に、血中ケトン体濃度が増加している状態は、糖尿病やインシュリン抵抗性のサインとされてきました。この背景として、糖尿病患者は「糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)」を合併しやすいことが背景に挙げられます。
糖尿病性ケトアシドーシスは、高血糖、高ケトン血症、および代謝性アシドーシスになる病気です。アシドーシスは血液が酸性に傾いてる状態で、pH値でいうと基準となる7.3より小さくなってしまいます。これはいわば、体の中で二酸化炭素が充満してるような状態です。
ケトーシスとケトアシドーシスの違い
ファスティングや断食といった長時間の有酸素運動によって、脂肪をエネルギーに変換しやすい体になっているという生理反応の範囲内での状態を「ケトーシス」といいます。これが過剰におこなわれて、ケトアシドーシスのような病的な状態は、人体における異常=エラーとされるのです。
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