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【超基礎】トレーナーができる腰痛へのアプローチ

腰痛は、現代日本人男性の1番、女性の2番に多い不定愁訴です。パーソナルジム全体を見ても、大体2人に1人以上は「腰痛に悩まされている」という相談を受けました。それくらい、腰痛持ちの方は多いんですね。

腰痛に対してのアプローチが的確にできないと、いつまでたってもトレーニングができません。そんな腰痛へのアプローチとして、原因や対策を紹介したいなと思います。

①骨盤の歪み

やっぱり多いのは骨盤の歪みです。

・左右にある骨盤の、どちらかが前傾でどちらが後傾している
・一方が前傾して、さらにもう一方は過前傾が起きている
・一方が後傾して、もう一方がさらに過後傾している

②コアの欠如

骨のレベルで言うと、ダントツで腰を痛めやすいのは大体L(腰椎)4、L5あたりです。なぜかというと、この周辺に付着する筋群がものすごく少ないから。

例えば、大腰筋はTh(胸椎)12からL4までの椎体の外側面です。横隔膜も、腰椎部はL4までしか付着していません。ただでさえ筋肉の付着が少ないうえに、それらの筋肉がしっかり活動していないと、当然、腰は不安定になり痛みがでます。

③筋の緊張による癒着

代表的なものは、特定の筋肉を使ってしまったことによる筋膜の癒着です。しつこくくっついてはがれにくくなってるテープを、無理やりはがそうとするのは大変です。それと同じで、癒着した筋膜を無理に動かそうとして、摩擦による痛みなどが生じます。

④その他

その他というのは、僕たちパーソナルトレーナーが、にわかに手を出すべきではない症例です。脊柱管狭窄症、ヘルニア、分離症、滑り症…。勉強しているトレーナーほど、これらには「手を出さない方がいい」と判断できます。病院でさえ、こうした症状に対しては「安静第一」を言い渡すくらいなので。

分離という言葉を聞くとイメージしにくいですが、早い話「骨折している」と同義です。そこに滑りが加わって「滑り症」が出ているのですから。

骨盤前後傾のアライメントチェック

まずは、骨盤の前後傾を評価していきます。

クライアントの横に立ち、PSIS(上後腸骨棘)とASIS(上前腸骨棘)の位置を確かめます。その際、PSISがASISよりも「指2横指分」高ければ、骨盤の傾きは正常と判断できるでしょう。なお、ASISはいわゆる「腰骨」の位置に相当します。PSISは、ズボンのベルト部分や下着のゴム部分の上から触診できます。比較的腰の中央部に近いです。

もしも、PSISが指3横指分以上高かったり、あるいはPSIS、ASISの高さが変わらないという場合、骨盤は過前傾・過後傾している可能性が考えられます(前者の場合が前傾、後者の場合が後傾です)

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