見出し画像

体性感覚刺激で動く胸椎を手に入れる。胸椎の可動性を高めるエクササイズ3選

体性感覚は主に、皮膚や筋肉、腱、関節、内臓などによって知覚されています。今回はこの体性感覚を用いて、胸椎のモーターコントロールを鍛える簡単なエクササイズを紹介したいと思います。

モーターコントロールは、、運動する為に必要な様々な機構を調整する能力のことです。簡単に言えば、「自分で思い描いた理想的な動きを再現できる能力」とも言えますね。モーターコントロールの力を磨くには、その運動を行うための筋肉と、身体の状態や周囲の状況を知覚・認知するための能力が必要です。

こうした能力のうち、今回鍛えていくのは「自分の身体の状態を正確に知覚する能力」といえます。脊椎は首から骨盤までをつなぐ組織であるため、この場所を正確に知覚できるかどうかは慢性痛やパフォーマンスに大きく影響します。

脊椎は頚椎・胸椎・腰椎(仙椎)と区別できますが、その中で安定性ではなく可動性を担う部位である胸椎を動かせるかどうかは、特に重要です。胸椎の可動性が低いと、安定性を確保するための部位=なるべく固定した状態を維持したい部位である腰椎が可動性を発揮しなくてはいけなくなり、結果ケガや痛みなどにつながるわけです。

真偽は不明ですが、ハンマー投げのレジェンドである室伏広治さんは「Th(胸椎)5番を起点に身体を曲げてください」と口頭で伝えるだけで、その動きを再現できるという話があります。ここまでとはいかずとも、ある程度胸椎を動かせる能力を身につけるために、これから紹介するエクササイズを試していきましょう。

準備:触ることで知覚させる

まずは準備として、クライアントに胸椎がどこにあるのかを認識してもらいます。やることはとても簡単で、胸椎エリアをさせるだけです。実際、クライアントに立位での前屈をしてもらい、その後胸椎付近をさすったあとに再度前屈をしてもらうと、記録が伸びているケースが少なくありません。

「触れられる」という触覚刺激によって、本人の中で胸椎に対する知覚形成が促されることで、こうした結果につながわるわけです。とはいえ、必ずしも成果が出るとは限りません。その場合、胸椎以外の要素が前屈運動を阻害していると考えましょう。

この準備を通じて、胸椎エリアをしっかりと認識していただいた上で、エクササイズを始めていきましょう。

エクササイズ①胸椎の屈曲・伸展

このエクササイズでは、胸椎の屈曲・伸展動作を繰り返すエクササイズを行います。動作時には、骨盤が代償的に動かないようにすることを意識してください。

伸展は胸骨を上下に広げるようなイメージで行います。
屈曲は逆に胸骨をつぶすようなイメージで行います。

ここから先は

1,432字 / 10画像
月に3本記事更新いたします。 実際に現場でご利用いただけるよう脳について初心者向けから応用編へと少しずつ難易度を挙げていきます。 数年間購読し続けることで体の機能を高めるために必要な脳への知識が身に付きます。

Brain Special Magazine

¥1,980 / 月 初月無料

運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?