呼吸のトラブルを改善しつつ腹筋を割るコツ。体性感覚をフル活用したエクササイズを紹介
呼吸を支える筋群はたくさんありますが、中でも忘れてはならないのが「横隔膜」です。横隔膜の起始部はちょっと特殊で、胸骨部、肋骨部、腰椎部の3ヶ所に分かれています。そこから、腱が中心部に収束していき、停止部を形成しています。
横隔膜は平たいドーム状の筋肉で、息を吸う時(吸気)ではドームが下がっていき、息を吐くとき(呼気)ではドームが上あがります。この繰り返しによって、呼吸が成立するわけですね。
首から横隔膜に働きかける
呼吸は主に、「安静時呼吸」と「努力呼吸」に分けられます。安静時呼吸は、運動していないリラックス時に、無意識で行っている呼吸です。努力呼吸はその逆で、運動時(ランニング、サッカー、ボクシング、登山など)に吸気・呼気それぞれに関連する筋群が動員されて行われる呼吸です。
さて、そんな横隔膜を支配している神経が「横隔神経」です。横隔神経は、主に7つある頸椎の3~5番(C3~C5)から走行しています。というのが一般的な教科書で勉強することですが、最近の研究では、C3から横隔神経が走行している人は結構少なくて、C4、C5から走行している人が多いそうです。まあそれはさておき、頸椎の一部から横隔膜を支配する神経が出ているという認識のもと、話を進めていきます。
この考えで行くと、例えば首の筋群がすごく凝り固まっていて、思うような可動域が出ないという人。眼精疲労を強く覚えるほど、首の筋群がガチガチな人というのは、当然神経にも悪影響を及ぼします。脳から横隔膜への電気信号が滞り、うまく可動性を発揮できていないかもしれません。
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Brain Special Magazine
運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
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