わたしの旦那さんは変だ。〜健康と運動と欲望の狭間〜前編

前編の今日は主に、体育会系の妻の話。


彼は決して瘦せていない。

わがまま、とは言わないまでも丸みを帯びたふっくらボディである。(と書いたのは1ヶ月ほど前なのだが、昨日、Tシャツの裾から覗いていたおなかは狸の置き物を彷彿とさせる何かがあったので、もはやわがままボディであることは明白なのだが、今回は彼の名誉のため、ふっくらボディとする。今後さらなる成長があった場合にはわがままボディとして書き記すこととする。)


そんなことを偉そうに書きつつも別に私も痩せていない。

痩せてる、と丸いの中間ほど、中肉中背という体型である(と自分では思っている)。

コロナが流行してすぐの頃、私の職場は職員にリモートワークを命じた。

私はその指示に従い、自宅で仕事に打ち込んだ。

それはもう真剣に。

仕事をしては湯を沸かし、お茶を入れ、おやつを食べる。

そしてまた仕事に打ち込み、湯を沸かし、コーヒーを入れておやつを食べた。

もちろん、家にいるからには3食のきっちりと、健康的に。

そして、言わずもがな、結論、とんでもなく太った。

1か月ほどして、私は何を思ったか体重計に乗ってみた。

それまで数年、出番のなかった体重計は、その腹いせにか、冷酷に、冷徹に、私に人生最高体重を告げてくれた。

私は我に返った。

確かにどう考えてもカロリーオーバー。

このままでは子豚どころか、出荷前の豚である。

なんだったらすでにそうだったかもしれない。

さすがにヤバいと私は慌てて自宅筋トレを始めたのである。


そこで、走りに行こう!とならないのが私が私である所以である。

コロナで外出自粛を求められてるからね、と自分に建前を言い聞かせる。

そう、私は走るのが嫌いだ。

苦手ではないと思うが、長時間、ただ音楽を聴いて、苦しくなるために走りに行く。

これは長続きしない。私に向いていない。

なぜそう言い切れるかというと、これまでも健康、またはダイエットのためあらゆるアプリをインストールし、ウォーキング、ランニング、縄跳びに至るまで、低予算ででき、かつ、近隣住民の皆様にご迷惑にならない有酸素運動に取り組もうとしてきた。


結果はお察しのとおりである。

「今日は雨が降ったからできない」の言い訳が当てはまったその日以降、思いつく限りの言い訳を並べ、私は二度と家から出なくなるという失敗談が今すぐに思いつくだけでも5,6あるからである。


しかし私は運動が嫌いなわけではない。

自分の興味のある動画を見ながらの筋トレには適性があった。

ここでのポイントは「自分の興味のある」動画であることである。筋トレ動画を見ながらのトレーニングは長続きしない。

この理由は過去に失敗談が・・・(以下略)。


この適性のあった筋トレは、今もずっと続けている。

我ながら頑張っていると褒めてやってもいいとすら思う。

当初のメニューは、スクワット20回×5セット、膝をついての腕立て伏せ(20回×3セット)、腹筋(20回×5セット)であった。

私は一体、何になろうとしているのか。

しかし私は真面目である。

毎日、仕事が忙しい日も、体力的にしんどい日もバカの一つ覚えのように筋トレに励んだ。

おかげで、出荷は延期され、子豚を名乗ることが許されるくらいにはなっていると思う。

いや、思いたい。


最近の私は、好きなアーティストのMVを観ながら、そのリズムに合わせて、筋トレをしている。

大体1曲あたり3~4分を3~4曲分。

とてもキツイ。

しかし、やってやったぜ!の達成感と、今日やらなかったの罪悪感に負け、今日も今日とて筋トレに励むのである。


ちなみに、だらだらやっていても、毎日きちんと続ければ、おなかには線が現れる。

すると今度はこの線を育て、または失うことを恐れて筋トレに励まざるを得なくなるのである。


何が主題だったか分からなくなるほどに話が大きく脱線した。

つまり長々と何が言いたかったかというと、痩せるため、またはこのご時世に、はたまた年齢的に健康でいるために筋トレをやるならある程度はストイックに本気で取り組んだ方がいいと私は思っているということ。



中編(妻的には不可思議な運動に励む旦那さんの話)はこちら。


後編(夫の止まらない欲望の話)はこちら。