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地元芸西村への愛あふれる都築さんのなすハウスに行ってみた!

今回取材するのは、高知県の東部・芸西村でなすを栽培する都築さん。
先日紹介したかめのこ農園さんとおなじく、天敵農法を取り入れています。

地元芸西村を大切にしながら、農薬を減らした栽培を行う都築さんをご紹介します!

都築さんってどんな農家さん?

都築功(つづきいさお)さん

高知県芸西村で育った都築さん。

10代のころは造園業や設備屋、20代前半は音楽関係のアパレルなど、全く別の仕事をしていましたが、地元への想いが募りUターンしました。

農業を営むご両親のもとで学んだ後独立し、現在は14年目です。

高知県で有機栽培や化学農薬を減らした農業を行う生産者グループ「高生連」に所属。

合計で54a(テニスコート約21面分)ほどのハウスで農薬を減らしたなすを育てています。

都築さんの天敵農法について

ハウスには天敵農法を取り入れ、害虫を食べるヒメカメノコテントウ、タバコカスミカメに加え、なすを受粉させてくれるハチなど、農業にとってプラスに働く虫=益虫を放っています。

ハチ達への影響を懸念して、ネオニコチノイド系(※1)の除草農薬は使っていません!

天敵農法を取り入れたおかげで、殺虫剤の使用回数は本当に少なくなったのだとか。

 この天敵は、自然の中で生きている虫たちを捕獲しに行ったり、天敵専用のハウスで増やしたりしています。

ハウスの中にいる様々な虫や多種多様な菌は、大切な従業員のような存在なのです。

天敵農法についてもっと知りたい方はこちら:

ヒメカメノコテントウ
タバコカスミカメ
ハチ

※1 ネオニコチノイド系農薬は、殺虫作用がある「ニコチン」に似た化学構造を持つ化学物質から、毒性を弱めて作られた農薬のこと。生態系や人体への影響が懸念されています。

一番のこだわりは土づくり!

植物にとって、一番大事なのが土です。

なすハウスでは、幾種類もの微生物と、そのエサや住処となる有機物の藁や米ぬかなどを入れて土づくりをしています。

この土は都築さんが14年間かけて良い土作りを目指してきたもので、保水性、保肥性、通気性を意識した、微生物が住みやすく、活発に動きやすい環境である団粒構造(※)になっているのだそう。

また、大豆粕や米ぬか、鶏糞を加えて醗酵・熟成させた多種多様な菌が含まれている肥料を与えています。

まいた肥料が水分が加わると写真にある綿毛のような見た目になるのだとか。

良い土を作ることで、根の張りが良くなり、病気に強い樹に育つのです。

※団粒構造とは、土の粒子が団子のように集まった状態のことを言います。水分を保持する性質(保水性)を持ちながら水はけが良く(通気性)、土が栄養分を保持する性質(保肥性)も高い、野菜の栽培に適したふわふわとした土になります。

研修生の受け入れと、芸西村への貢献

なすハウスでは、都築さんと奥様の他に、ベトナム人実習生のリンさんと妻のリョウさんが働いています。

日本の農業を学びに来たお2人は、いずれベトナムで農園経営をするのが目標だそう!

なすハウスでは、こういった夢を持つ研修生をこれまでにも受け入れてきたのだとか。

また、都築さんは地元への貢献の一つとして小学校での授業も行っています。

そんな農業や芸西村のために尽力している都築さんに、インタビューをしました!

なすハウス都築さんに聞いてみた!

研修生を受け入れる理由

ちえまる:たくさんの研修生を受け入れているそうですね。

都築さん:過去にも同じ芸西村出身の日本人研修生を5人ほど受け入れ、そのうち3人は独立し、今でも交流があります。

研修生の方に来てもらって助かっているし、研修生にも技術をどんどん伝え、Win-Winの関係性が築けていると思いますよ!

リンさんは初めは単身だったのですが、夫婦で農業を学びたいとリョウさんを呼び寄せることになりました。
自分の研修をきっかけに農業人口が増えるのはうれしいことですね。

これからも2人に感謝をしながら、リンさんとリョウさんが居心地良く農作業に取り込める環境作りを大切にしたいです!

都築さん(左)とリンさん(右)
都築さんの奥様(左)とリョウさん(右)

小学校での授業について

ちえまる:小学校で農業を広める活動もされているんですよね?

都築さん:青年農業士という、地域の農業を守る活動に参加しています。

その一環で子どもたちに、ペットボトルの中にフェロモン材を入れて作った罠を使って害虫を捕まえる授業などをしているんです。

難しい話は置いておいて、まずは農業に親しんでもらうことが大事。
「農業っておもしろい!」「自分もやってみたい!」そう思ってくれる子どもたちが増えるとうれしいですね。

娘が小学生のときに先生として授業を行ったこともあり、とても思い出深いです!

授業で使った資料
害虫(ハスモンヨトウという蛾)を捕まえる罠

袋のデザインも都築さん自ら行う

ちえまる:なすの袋は都築さんがご自身でデザインされたと伺いました!

都築さん:現在のなすのパッケージは、共同で出荷している芸西村の農家仲間の五嶋君と考え、私がイラストを描き、高生連の鳥谷さんが確認をして文面等を整えてくれました!

こうやって地域の仲間と一緒に力を合わせていけるのは、農業が盛んな芸西村の良いところですね。

テーマはハウスの中にいる天敵たち。
ネオニコフリー(※)の象徴であるハチも入れ工夫を重ねて作りました。

※ネオニコチノイド系農薬の排除をすすめること

高生連の鳥谷さん
五嶋さん

なすのおすすめの食べ方は?

ちえまる:都築さんのおすすめのなすの食べ方を教えてください。

都築さん:グラタンやミートソース、ホットサンドになすを入れることが多いです。

他にも、パプリカと一緒に揚げ浸しにしたり、チヂミやたたきにすることも。

最近はなすを少量のごま油で蒸し焼きにしてよく食べています。
甘みがあって美味しく、家族4人でなす8本食べるくらいハマっていますよ!

なすミート
なすのチヂミ
なすのたたき
なすとパプリカの揚げびたし

組合員さんへメッセージ

ちえまる:組合員さんへのメッセージをお願いします。

都築さん:アイチョイスの組合員さんが住む地域とは遠く離れた、海と山に囲まれた高知県芸西村。

距離が離れていても、作っている人の顔や思いが伝わるように気持ちを込めて農業に取り組んでいます!

これからも知識や技術を向上させ、人にも環境にも安心で安全な美味しい野菜を作っていきたいです。

いつまでも初心忘るべからず。
日々精進の気持ちを大切に、愛情を持って野菜を育てています!

地元を大切にするからこそ、人や野菜を大切にしたい

今回は芸西村の都築さんのなすハウスを紹介しました。
都築さんは、地元芸西村を大切にし、情熱をもってなす作りに取り組む農家さんです。

取材中、都築さんがおっしゃっていた一言。

「虫や生き物、そして周りの働く人たちが居心地よくいられるような環境を大事にしている」

この言葉の通り、ハウスの中のなすや害虫を食べる益虫たちをはじめ、一緒に働いているリンさんとリョウさん夫妻が働きやすい環境づくりを大切にされていました。

小学校での授業や研修生の受け入れも、地域や人とのつながりを重んじる都築さんの姿勢が表れていると思います。

農薬を減らした栽培も、農業が盛んな芸西村とその地域の人々の暮らしを守りたいという思いが詰まっているのかもしれませんね。

👇この記事を書いた人

※こちらの記事は、2024年6月7日「みっくすなっつ」に投稿された内容です。

👇ちえまるが書いた記事はこちら

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