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カメムシとポテトチップス

カメムシ。

わかりますか?

なんかGoogle先生で調べたら色々な種類がいるそうで。

秋の終わり頃になると発生し、異臭を撒き散らしたり、農作物の葉っぱを食い荒らしたりするそうですが、後の難しいことはわかりません。

うちの田舎も回りが田んぼや畑などがたくさんあるせいか、カメムシがよく出る地域です。

退治しようと触るとなんとも言えない異臭を放つのでみんな退治するのさえ嫌います。

最近よく聞くのがペットボトルに落とし込む方法を聞くのですが、で?そのペットボトルはどうすんだ?そのなかでカメムシが死ぬまで待つのか?と思いつつもめんどくさいので今回はGoogle先生では調べません。

基本めんどくさがりです。

小さい頃、姉の家にたまに泊まりに行きました。

姉とは4つ違いで、父親は一緒なのですが、母親が違います。その為か、父方の祖父と祖母が別の家(父の実家)で育てていました。

そして多分うちの母親とは仲良くはありませんでした。

なので、泊まりに行くと言うと母親はあまりいい顔はしませんでした。それでもあたしは姉と遊びたかったので、たまにその母親の嫌そうな顔を振り切り、罪悪感を抱えながらもたまに泊まりに行きました。

母親はもちろん祖父や祖母の事もあまり良くは言ってなかったので、子供心にも「この人たち、悪い人なのかなぁ?」と思いながら泊まりに行って様子をみていました。けれど、普通に接してくれるし、別にあたしには嫌な人たちには見えませんでした。

ただ、朝御飯になると「うちでは朝食パン食べてるけど、あんたはご飯がいいんでしょ?」といらない気を回され、あたしだけご飯を食べなければならないのが嫌でした。

パンでもいいよ。と言ってもあたしだけご飯でした。

母親は祖父や祖母達の事を「あたしの事を田舎者だとバカにする」のような発言をよくしており、その流れで「田舎者は朝はご飯」になっているのだろうか?と子供ながらに差別?までいかないものの、少し姉の家に馴染めない寂しさを感じていました。

そうしているうちに事件は起きました。

その日も姉の家に泊まりに行き、夕御飯をすませてからゆっくりと祖父と祖母と姉とあたしで夕方から入るテレビを観ていました。

あたしと姉は夕御飯を食べた後にもかかわらず、2人でポテトチップスを食べながらグダグダとテレビを観ていました。

あたしが「あぁ~!」と伸びの体制で手を伸ばした先に手にカサカサしたものがあたったので、「あ、さっきこぼしたポテトチップスかな?」と思わず口に持っていこうとしました。

はい。そのカサカサしたものはカメムシでした。

あのですね、触った感じはほんとに似てたんですよ。そしてもうね、部屋の中でくたばってたらしく、カッサカサに干からびてたんですよ。

そしてあたしが、「うぎゃああ!カメムシだぁ!ポテトチップスかとおもったぁ!!」と半泣きで慌てるとみんな大笑い。

もう姉なんかドツボにはまって「カ…カメムシ…食おうと…ポテトチップスって…」としばらく笑い転げてました。

なんとなくその瞬間が驚いたけど楽しくて。

初めてまともに姉の家にじんわりとスポッと馴染めたような気がしました。

あの時大笑いした祖父はあたしが、長男を出産する年に他界。スポーツマンで走るのも得意でしたが、大病を重ねに重ね、最後には内臓がほとんどないような状態でした。

祖母は一年前に他界。

編み物が好きでおっとりしてるけど、ちょっと毒もはくようなおばあちゃんでした。最後までおっとり頑張ってくれました。寿命でした。

姉は10年以上前からずっと精神疾患を患っており、ニートです。一時はアルコールで肝臓をやられ、これ以上飲んだら死ぬとまで言われる状態でした。祖母の葬式ではカツラを被ってました。多分なにかの副作用で髪が抜けているものとみられます。それ以来会ってません。

幸せな時間は長くは続かない。

だからこそ、今、ここにある幸せを噛み締めたい。

でも、カメムシは嚙めません。あしからず。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

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