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「役者マインド」元俳優で居酒屋店員だった僕が、IT系のフリーランスになれた理由

先日、居酒屋で友人と飲みに行っていた時に、隣に座られていた僕と同じ岡山出身の方と話をしていました。

「僕は倉敷の出身です。俳優を目指して上京しました」
「今はIT系のフリーランスで、PMOの仕事をしています」

簡略に僕の自己紹介をしていると、その方から「よぉ俳優からIT系に行けたな」と、驚かれました。

「元々俳優をやっていたので、役作りと一緒だと思っています」

「役作り」という考え方でその役になりきる。

この考え方を、僕は「役者マインド」と呼んでいます。

「役者マインド」について、僕の経験をベースに話していこうと思います。

1.きっかけ

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俳優の専門学校を卒業し、フリーの俳優として活動し始めた頃、生活をしていく為にアルバイトをはじめることにしました。

アルバイト先として選んだお店は、家の近くに新しくオープンしたばかりのイタリアンレストラン。

オープニングスタッフとして働くことになったため、教えてくれる先輩がいない状況。

マニュアルも何も整備されておらず、メニューもすべて英語表記。

そんな中でオープンの日がやってきて、店頭に立たされた僕は、店長からこんなことを言われました。

「俳優なんだから、役所広司になりきって、接客してきてよ」

何の教育も受けず「俳優なんだから何でもできるでしょ」という無茶振り。

当時の僕は、俳優の専門学校で演技の勉強をしていましたが、演技の実践経験がほとんどない状態。

英語でやたら長いメニュー名の商品を注文されても、そのメニュー自体が覚え取れず、ハンディもない手書きの伝票にメモをするので精一杯。

「これはどんな料理ですか?」

ただ店頭に立たされた素人のような状態だったので、「少々お待ち下さい!」と度々店長に聞きに帰り、戻って答えるだけの繰り返し。

そんな時に店長から、こんな一言を言われました。

「役者なんだから、このくらい演じろよな」

当時未熟だった僕は、何もできない辛さに耐えきれませんでした。

厨房で泣きながら店長に「辞めさせてください」と言って、そのアルバイトを退職しました。

2.役者であることの期待値

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店長のやり方は、パワハラまがいだったかもしれません。

でも今になって振り返ってみると、店長が言っていたことは、あながち間違ってはいないなと思いました。

生活の為に働いている時間も、考え方によっては役者の勉強になる時間。

それからどんな仕事を初めても、「俳優です」というと期待感で見られることばかりだったため、その期待に答えるように全力で働きました。

さらに同時並行で決まった演劇の舞台では、時代劇で侍の役や医者の役など、色んな役柄を経験。

同じように働いている時間でも、役作りと同じように、「僕はこのお店の店員役だ」と考えるようになりました。

この仕事が、超人気ドラマや映画の役だったら、チャンスだと思って何が何でも身につけますよね。

それから僕は、「できないです」と言う言葉を封印して、「やったことないけど、やってみます」と言うようにしました。

3.役者マインド

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「俳優なんだからなんでもできるでしょ」

アルバイトで体験した辛い経験が、その後の人生に大きく役立ちました。

「役所広司、演じてみせましょう!」

開き直った僕は、どんな仕事でも「これが与えられた役だったら」と考えてやりこなしてきました。

俳優として成功しようとしていた人間が、俳優という職業を離れたからとはいえ、職業によって「できるできない」を選んでいたら人生で上手くいく訳がない。

あらゆる職業を経験してきましたが、入社する度に「今日から〇〇役だ」と考えながら、仕事に取り組みました。

「役者マインド」を大事にすることで、結果的にどの職業に就いても、役作りと同じ要領で勉強し、身につけることができました。

まとめ

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何をやるにしても大事なことは、どんな前提で取り組むか。

僕は役者だったので、役者なりの考え方で人生を歩んできました。

読んでくださった方々の、何か参考になれば幸いです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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