見捨てられた日本の建物
今回はきのうの記事からの続きで、イギリスの荒れ果てた1軒の、ピアノのある廃屋から始めます。この写真にはいくつかコメントが寄せられていました。
「なぜこんなことになったかって?音楽家が家をダメにしたのよ」「これ、まだ弾けるかな?」「このピアノは1から修復しないとダメだな」など。
けれど、私が気になったのは次のマリアさんという人からのコメントです。
マリアのコメント:
「いったい誰が、ピアノを置いていったりするかしら?
こうなったいきさつは、知りたいけれど、とても悲しいかもしれないわ。どういうわけか、この写真を見たら、数週間前に新聞で読んだ話を思い出したの。
あるジャーナリストがマドリードに住んでいて、自分のアパートから道路を隔てた向かい側の家のバルコニーを見るのが大好きだった。まるでジャングルのように、美しい植物でいっぱいだったから。
それから数か月たったある日、彼が気がついたら植物が枯れてしまっていたの。植物、全部が。
驚いて近所の人たちにきいたら、
そこには植物が大好きな老夫婦が住んでいて、2人とも新型コロナウイルスパンデミックの初期に感染して亡くなったそうよ。
老夫婦は他に身寄りがいなかった。植物も死んでしまい、とても悲しいことだわ。自分たちの死後も、誰かに植物の世話をしてもらいたかったでしょうね。
私たちはみんな、死んだ後も、誰かに自分たちの仕事を引き継いで続けてもらいたいのよ。」
さて、上の写真は、私たちが身近でよく見かける廃屋です。外国のサイトに今の日本の問題点として、以下のタイトルで特集されていました。
「ゴースト・ハウス」急速に高齢化する日本に出没~若い相続人たちは先祖の家族の家を捨てています
日本では全国の自治体で、老朽化し見捨てられた「ゴーストハウス」が増えている。名前と外観は不気味だが、悪魔払いを必要とする幽霊屋敷ではない。ゴーストハウス、又は日本語でいう「空き家」とは、町が解体や転売によって取り除くことができない廃屋なのだ。
日本の人口は厄介な傾向にある。急速に高齢化する社会と少子高齢化、移民がいないことも相まって、日本は人口減少の大きな道を歩んでいる。
2018年には約45万人も減少した。国勢調査によれば、2010年以降は100万人近く減少。2065年までにはさらに人口の3 分の1が減るだろう。
高齢者が介護施設に入ったり死亡すると家は相続人に引き継がれるが、若い世代はますます都市に住み、固定資産税を支払う以外は関心がなくなる。
2018年の政府統計では国内不動産の13.6%がゴーストハウス。2040年までに放棄される不動産の合計サイズは、オーストリアの国土サイズと同じになると推定されている。
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トップのヘッダー写真は、緑に囲まれた愛媛の廃農家です。昨日記事ヘッダー写真のアイスランドの廃農家とは逆に、え~っ、リフォームして住みた~い!!という外国人もいるかもしれませんね。
https://www.atlasobscura.com/articles/japanese-ghost-houses 出典
https://www.boredpanda.com/abandoned-places-europe-photography-matt-emmett/
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