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面白い本・好きな本|アート・芸術篇

今年に入ってよく目にするようになったNFT。
Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略とのこと。

ブロックチェーンを活用したデジタル資産で、デジタルなのに一つしかない。よって動画やツイートまで所有権の売買が可能となる世界。

そんな中、最近STRAYMという面白いサービスを見つける。

これまでアートは見るものか、個人が所有するものでしかなかったけど、共同所有権を購入することで有名なアートを多人数でシェアすることができるサービス。
その上、所有権はブロックチェーンを使ったトークンなので、自由に売買もできるし、所有権が株価のように上下動もする。

現代ストリートアートの3トップ(たぶん)、Banksy[London]、JR[Paris]、KAWS[NY]のうちBanksyとKAWSが購入できるので、早速試してみる。

アートや芸術関連の名言・格言

純粋なものは脆い。金属と同じ。素晴らしい愚直さに、少々のわがままを。
美術は問いかけ、デザインは解決
機能を増やすには技術がいるが、機能を減らすには哲学がいる
凡人は模倣し、天才は盗む

などなど、挙げればきりがないと思うけど、バンクシーの言葉がすべてかと。

1つの独創的な思考は、千の意味の無い格言に勝る

ということで、アート・芸術に関する面白い本を3つ選出。


茶の本/岡倉天心

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明治期の思想家、岡倉天心の代表作。西洋における茶道の理解に大きな役割を果たしたと言われる名著。
岩波文庫でもいいけど、角川ソフィアのほうが読みやすいかと。

私たち日本人の住居、習慣、衣服や料理、陶磁器、漆器、絵画、そして文学にいたるまで、すべて茶道の影響を受けていないものはない。日本文化を学ぼうとするなら茶道の存在を知らずにはすまされない。

岩波文庫で60ページ程度しかない、とても薄い一冊。
そこに日本の総合芸術のエッセンスが凝縮されているので、まだ読んだことがない人は絶対読んだ方がいい、読まないのはもったいないほどの名著。

茶が禅と深くかかわっていることはよく知られている。すでに述べたように、茶の湯は禅の礼法から発展してきた。道教の始祖である老子の名も茶の歴史と密接に結びついている。

「茶の本」といっても茶道の指南書ではなく、日本の精神文化の奥義を解き明かした天心流の文明論。


13歳からのアート思考/末永 幸歩

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子供も大人もすべての人が読んだ方がいいほど、すごくわかりやすくまとまっている本。

とは言っても、本の結論で特段すごいことは言っていない。
花職人という表現もあまりいいとは思わない。
正解を見つけるのではなく、自分なりの答えを見つけましょう、というのも普通といえば普通、、

この本のすごいところは、数え切れないほどある有名な芸術作品の中から、6人を選出して、これまでの常識をどういった理由で疑ったか、をわかりやすく整理した点。

この6人を理解すれば、アートの歴史の大きな流れがわかってしまうすごい本。

1_マティス:眼に映る通りに描く必要はない
2_ピカソ:一人の視点から描く必要はない
3_カンディンスキー:具象物を描く必要はない
4_デュシャン:美しいものである必要はない
5_ポロック:イメージを表現する必要はない
6_ウォーホル:アートの枠組みは必要ない


世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? /山口 周

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光文社新書ではもったいない内容。岩波か中公から出した方がよかったに、、失礼ながら思ってしまうほど。

サイエンスとアートが両方大切だが、意思決定の理由が後から説明できるのはサイエンスなので、必ずアートの主張が敗北する、という点に激しく同意。。

論理的、合理的に考えれば、皆同じ答えにたどり着く。よって、狭い領域で無駄な競争が繰り広げられることになる。

そのためにはストーリーや世界観を伝えるブランドが必要となり、以下の3つが基準になるとのこと。

真:直感・完成
善:道徳・倫理
美:審美眼

では、どうやって美意識を鍛えるか?

絵画を見て、哲学に触れて、文学を読んで、詩を学ぶ。


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