見出し画像

面白い本・好きな本|島根[神々の国の首都]篇

人口は七十万
神様は八百万(やおよろず)

江戸川区よりも、堺市よりも人口が少なく、
日本で47番目に有名な県。

島根県の県花は牡丹
牡丹の花言葉は人見知り。。

砂丘はないし、水木しげるもいない。
でも、松江のライブハウスに同時期にいたOfficial髭男dismSaucy DogOmoinotakeの3バンドがメジャーデビューを果たした奇跡はある。

そんな島根県で4歳から18歳までの15年間を過ごす。思い入れもあれば、思い出も盛り沢山。

画像1
60年ぶりに御本殿の特別拝観ができた平成の大遷宮

出雲と石見と隠岐

島根県には、「出雲」「石見」「隠岐」の3つの地域がある。

出雲の東端から石見の西端まで車で3.5時間
出雲から隠岐に行くにも3.5時間
出雲から大阪に行くのも車で3.5時間
(島根→鳥取→岡山→兵庫→大阪と横断するのに!)

なので、出雲出身の立場からすると、大阪に行くのも、石見の端に行くのも変わらない。
隠岐にはそもそも行ったことすらない。後鳥羽上皇が島流しにされたところといえば、なんとなく想像できるかと。。

さらに竹島も島根なんだけど、これはもう隠岐よりもさらに北の北の海の上。。

と、いうことで、そんな神々の国の首都である島根にまつわる本を3冊ご紹介。

出雲大社の参道にて

日本の面影/ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)

ギリシャ生まれの作家・学者であるハーンが、高校教師として松江に滞在した1890年代の随筆。

日本国籍を取得してからは小泉八雲と名乗っているので、そちらのほうが有名かも。

美しい日本の愛すべき人々と風物を印象的に描いたハーンの代表作。赴任先の松江を活写し、日本人の精神にふれ、アニミスティックな文学世界、世界観、日本への想いを色濃く伝える11編を詩情豊かな新訳で収録する。日本の原点にふれる、ハーン文学の決定版。

松江、出雲大社、宍道湖などなど、知ってる単語が出てきて嬉しくなるし、地元民でも知らないような島根の文化や歴史を知ることができる貴重な文献にもなっている。
ちなみに、「神々の国の首都」という表現もこの本から拝借。。

日本文化の素晴らしさ、島根の歴史の奥深さを教えてくれる本。


日本の民家/今和次郎

考現学の創始者・今和次郎による日本民家の入門書。

大正時代におこなった全国の民家調査をもとに、村の人々の日常生活を含めて描きだされた民家の描写は貴重な歴史書であり、生き生きとした多数のスケッチはどれも見入ってしまう。

出雲地方の松江付近は山陰道で一番"都らしい”気持ちのする土地である。宍道湖の眺めは素敵だし、それに続いて豊沃な斐川平野が広がっているからだ。この平野の家々は、黒松を植えてそれを刈り込んで防風垣を作っているのが著しい。

石見地方はその名の通り山ばかりの国である。でも、京都寄りの方の国々とはちがって、石見の国の村や町には何となく"賑々しい”感じがある。海岸よりの部落にはたいてい赤瓦の屋根の家々が密集していて、丘や山の断れぎれの個所にそれらはこじんまりと作られている。

出雲石見と民家についても描写もあり、やっぱり出雲と石見では全然文化が違う。

出雲が都らしく、石見は賑々しい。

出雲出身の立場として、気分はいい。。


手仕事の日本/柳宗悦

民藝運動の創始者・柳宗悦が、全国各地に残る美しい手仕事を紹介しながら、日本にとって手仕事がいかに大切で、すばらしいものかを伝える民藝案内書。

島根は石見出雲の二国から成っていますが、互いの気風がまるで異なる。

石見の方は荒々しく強く、力を感じます。これに引き換え出雲の方は穏やかで温かで細かいところがあります。男性と女性とにも譬うべきでしょうか。

一方は波風の激しい磯がそうさせたのかも知れません。一方は物静かな湖水がそうさせたのかも知れません。石見の方は原始的で出雲の方は文化的であります。

出雲と石見の手仕事についての描写もあり、まったく文化が違う、と。

出雲は穏やかで文化的、石見は荒々しく原始的。


やっぱり、出雲出身の立場として、気分はいい。。


この記事が参加している募集

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?