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懐かし日記③〜お母さんごっこ、なのにお姉さん


時代が変わっても変わらない遊びがある。誰が教えるでもないのに、自然とやっているような遊び。


女の子のごっこ遊びといえば、おままごと。俗に言う“お母さんごっこ”だ。友達が3人、4人と集まれば自然とお母さんごっこの流れ。外でやることもあれば、室内でのこともある。キャストは参加人数にもよるが、
お父さん
お母さん
子ども(お姉さん、妹など)
赤ちゃん‥etc
お父さんは大体仕事から帰ってきて、ご飯を食べる。お母さんは食事の支度だ。赤ちゃんはバブバブ言ってるだけで、お姉さんや妹が子守りをする。お母さんごっこと言うものの、実はキャストの人気No.1はお姉さんだ。皆お姉さんをやりたがる。希望者がかぶったら、“上のお姉さん”とか“○番目のお姉さん”などいろんなバージョンのお姉さんをつくる。こうなるとお母さんごっこではなく、お姉さんごっこだ。そんな中、私がやりたい役は妹だった。何故なら、実生活で私は姉で、私には姉がいなかったからだ。妹という立場に興味があった。お姉ちゃんだから、と責任を負わされる事無く、いつまでも姉より小さくて、自由で気ままなイメージの妹というポジションに私は憧れていた。


うちの娘たちが幼稚園の頃も、お友達が遊びに来てはお母さんごっこが始まる。そんな時聞くともなしに聞こえてくるお母さん役の子のセリフに、私は慄いた。


「ちょっとお父さん、いい加減にしてください」
「もうお父さんたら、私だって忙しいんですから少しは自分のことは自分でしてくださいよ」


あぁ、あそこの家庭ではこういう会話が繰り広げられているのだな、と。そう考えると、うちの娘も他所のお宅であるいは幼稚園ではこういうシーンを演じ、我が家の、私たち夫婦の会話や家庭の様子が筒抜けなのではないかと思った。私は一度、その事を幼稚園の先生に話した事がある。先生は各家庭の様子が丸見えなのではないですか、と。すると先生は「そうですね。」と笑った。子どもたちはいろんな事を話してくれますよ、と。「なんだかお恥ずかしいです。」と言うと、そんな事ないですよ、私たちもお家の様子がわかったほうが助かりますと笑っていた。


はて、私たちは小さい頃のお母さんごっこの場面で、どんな事を話していただろうか。お姉さん役の時は、バリバリのキャリアウーマンを演じたりしていたのだろうか。「仕事が忙しくて疲れてるから、家の事なんて出来ないわ」なんて言ってたりして。仕事が忙しくなくても、疲れてなくても、お姉さんである私は家のお手伝いなんてしてなかったのにな、と思ってしまう今日この頃。



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