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珍しく母娘の好みが合いました


結婚した長女からLINEがきた。

「『滅びの前のシャングリラ』と『52ヘルツのクジラたち』が読みたいんだけど、持ってる?」


長女は普段本を読むような人ではない。が、年に何回か、ほんとにたまぁにこういう連絡が来る。中学校の先生をしていて、学校で“先生が生徒におすすめする本の紹介”を書かなければいけないことがあって、私はそれのゴーストライターをしている。もしやまた、その依頼か?と思ったが、あれは確か秋の“読書週間”の頃なはず。どうやら今回は、自発的に読書をしているみたいだ。『滅びの前のシャングリラ』は私も読みたいと思っていて、実は今図書館で借りている。『52ヘルツのクジラたち』は先日読んだばかり。どちらも今年の本屋大賞にノミネートされているので興味を持つのは不思議ではない。


ただ、その後も「今日は『82年生まれ キム・ジヨン』を読みました」「これから『ライオンのおやつ』を読みます」「あと『あこがれ』も借りた」「『永い言い訳』も借りた」


おいおい、そのラインナップはどうなっとるんや。私のお気に入りばかりじゃないか。別に私はそれらの本を長女に薦めた記憶はない。長女は私のnoteは読んでいない。長女は自分のアンテナに引っかかった本を読んでいるだけ。なのにここまで選本の好みが合うとは、驚きである。私が「それ、良い」「それも良い」と返事を返すと、「アタリやな」アタリです。大アタリです。


これなら、他にも私が良いなと思った本を薦めても良さそうだ。私は嬉しくなって『長いお別れ』も良かったよ、と言うと、「あ、それもあったわ。今度借りる。」他にも薦めたい本は沢山ある。『アーモンド』家にあるよ、と言うと「貸して」良し良し。


すると、「今年の本屋大賞、何が獲ると思う?」私はノミネート作品をまだ全部は読んでいないけど、今読んだ中では『52ヘルツのクジラたち』だと答えた。でも個人的趣味では伊坂幸太郎も良かったと言うと、「伊坂幸太郎は毎年のようにノミネートされてるけど、全然獲れんね」確かにここ何年かはそんな感じだ。そうなんだけど、今年の『逆ソクラテス』はコアなファンじゃなくても誰が読んでも面白いと思うよ。伊坂幸太郎なら家にあるし。「うん、まぁ伊坂は今読まなくてもいいかな」おいおい。私が伊坂幸太郎ファンなのを知ってる上でのその答。そこは素直に読めば良いものを。


長女が今から読む本、私が良かったと言った本を読んで、やっぱり母の言うことは間違ってなかったなと思ってもらえたら、『逆ソクラテス』を読む気になるかも。きっとそうなると思う。

と思っていたら、昨日長女夫婦が夕食を食べに来た時に『逆ソクラテス』の話が出て、私はすかさず本を持って来てみた。すると長女の旦那さんが興味を示して、「これ、借ります」と持って帰ってくれた。
シメシメ。


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