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食卓で家族になっていく


娘夫婦を夕食に呼んで一緒に食べるようになって、そろそろ一月が経とうとしている。始めた頃はお互いに塩梅がわからず、明日はどうする、明後日は?という感じで、毎日来るか来ないかの確認をしていたがだんだんとこなれてきて、今週はいついつが都合が良いとか悪いとか週単位で予定を決められるようになった。今は大体週に3回くらいに落ち着いてきた。


この習慣を始めた頃、ちゃま(うちの旦那さん)は毎回のようにケーキを買ってきたりコンビニスイーツを買ってきたりとかいがいしくお金を使っていたが、私と次女が「これからしょっちゅう来るんだから、そんなにいつもいつもおもてなしをしなくて良い」と言うと、「だってせっかくうちに来てくれるんだから」と不服そうに言っていたが、最近やっと毎回ではなくなった。それでもたまにやっぱりコンビニスイーツを買って帰って来たり、パチンコ屋さんに出勤して余り玉をスナック菓子に替えて帰って来てそれを長女の旦那さんに渡したりしている。


そういう私も実は、なんだかんだ長女夫婦にお土産を持たせている。果物や長女が喜びそうなお菓子や、旦那さんが好きなふりかけを、買い物のついでに買って来ては渡して、喜んでくれる顔が見たいのだ。そう、つまりはちゃまも私も、長女夫婦を、いや長女の旦那さんを喜ばせたいのだった。


旦那さんのほうも、初めは申し訳なさそうな雰囲気を出していたが、うちの家での食事にだいぶ慣れてきたみたいで、一緒に過ごす時間と親密度は比例するもんだなぁと思ったりする。嬉しい。私も、旦那さんの食べる量とか、お茶の好みとか出すタイミングとかを把握できて、スムーズに給仕できるようになった。そういう、なんてことない一つ一つが、家族をカタチ作っていく。


先日は水炊きをした。我が家は必ず〆に雑炊を食べる。だから雑炊を食べる分のお腹を空けておく。お腹いっぱいになる前に、水炊きを食べるのは控えておくのだ。ところが旦那さんは水炊きでお腹いっぱいにしてしまった。食べ終わったところで、「じゃ、雑炊を作るよ。食べるよね?」って聞くと、「いやぁ、もうお腹いっぱいです」と言うので、家族全員で「えーー?!」となった。長女が、「うちは雑炊を食べる分、みんなお腹を空けとくんよ」と言うと、今度は旦那さんが「えーー?!」となった。「言っといてよ」そりゃそうだ。言わなきゃわからない。それでも結局、旦那さんは一口だけ雑炊を食べてくれた。白菜の浅漬けと共に。しかもそのあと、ちゃまが買って来たコンビニスイーツも付き合って食べてくれた。そしてそのあとは、皆でクイズ大会をした。長女はクイズにハマっている。「人生をやり直せるなら、東大に入ってクイズ研究会に入りたい」できるなら「東大王に出て、クイズノックに入りたい」と言う。今からでもやれば?と言ってみる。


私の目下の心配事は、長女の旦那さんが、我が家に夕食を食べに来るようになったばかりに、太ってしまうのではないかということ。でも、皆で食べる夕食やスイーツ、特別なメニューではなくても美味しくて楽しくて、嬉しい。



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